宮本孝・蔡易達『台湾人のまっかなホント』(マクラミン・ランゲージハウス 2000)を読む。
週刊誌や旅行雑誌の連載コラムのような内容で、16章にわたって、台湾人の食文化や風習、気質についての面白エピソードが紹介される。台湾人の妻は夫の葬式の際に思いっきり泣かないと周りから不倫を疑われるといった類いの話ばかりが集められているのだが、そうした小咄の中に、日本や中国大陸に占領されてきた歴史や、中国大陸の歴史に対する敬意と政治に対する侮蔑、1987年の戒厳令解除後に急激に進展した民主化と保守化の相容れない流れなど、現在の台湾を巡る問題の深さも少し感じることができた。
直接台湾には関係ないが、宋代の政治家の王安石の囍(喜喜)という字に関する挿話が興味深かった。授業のネタに使ってみたい。
『台湾人のまっかなホント』
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