月別アーカイブ: 2008年10月

パンフレット研究:日産・自動車大学校

栃木、横浜、愛知、京都に4校ある日産の系列の4年制の自動車整備の大学校のパンフレットを読む。
1級自動車整備士の資格取得に向けたカリキュラムなので勉強の目的が見えやすく、また大学校なので専門の科目に専念できる。さらに、その後日産等のメーカー系列に就職ができる環境が整っているので、学生にとっては安心して勉強に打ち込める学校である。また、日産の最新の車両を扱いながら、学費は4年間で400万円と抑えられいるのでリーズナブルである。下手な大学の工学部に行って自分を見失うよりは親にとっても安心であろう。
女子学生が少ない学校なので、人寄せのためか在籍の女子学生の顔写真一覧のページもある。また、GT−RやフェアレディZ、シルビアといったスポーツカーを整備している写真が多く、車好きの少年の心をくすぶっている。
整備士養成のパンフレット一つとっても、車というのは一つの機械商品ではなく、人材育成から始まり、工場・販売網の拡張、商品流通のための町づくり、国づくりまで射程する一つの社会であるとつくづく実感した。

降旗節男という筑波大学の教授の著書の中で、日本の社会は全て自動車を売るために作られてきたという一節があったのをふと思い出した。自動車の広告のために新聞が発行され、自動車のCMのためにテレビが売られ、そして自動車を走らせるために国土が整備され、そしてそのような広告を鵜呑みにし自動車を購入する中流層を増やすための凡庸な学校教育が徹底したという論考であった。

『貧乏クジ世代:この時代に生まれて損をした!?』

香山リカ『貧乏クジ世代:この時代に生まれて損をした!?』(PHP新書 2006)を読む。
受験や就職で過酷な競争を強いられながらも、実際の仕事現場や年金問題などで大きく割りを食った第二次ベビーブームの団塊ジュニア世代にスポットを当てる。私もまさに団塊ジュニア世代であり、自分の置かれた境遇だと思い興味を持って読んだ。団塊ジュニアは、バブル経済と共に成長しながらもバブルの旨みを知らない世代であり、劣等感や敗北感が他の世代に比べて多いというデータがある。また、団塊ジュニア世代は、物心がついた時には携帯電話やメールは存在しておらず、リアルなコミュニケーションこそが本物だと知っているため、「メールはしょせんメール」だと下の世代ほど割り切ることができず、ネットやメールでのコミュニケーションに振り回されるケースが多いそうだ。

確かに、携帯電話の電話帳から削除すれば人間関係も切ることができるといったような「割り切り」の感覚は私にはない。しかし、一方でメールやインターネットに大学生時代から触れ、ツールとしてはかなり使いこなすことができる世代でもある。
最近の日雇い派遣は携帯電話のメールで伝えられる。仕事に対して熱心に取り組む順応性を持っている一方で、メール一本で簡単に首を切られるという経験を現在の団塊ジュニアは強いられる。
この私たちの狭間世代というのはこれからも様々な形で表出してくることであろう。

パンフレット研究:中央学院大学

中央学院大学のパンフレットを読む。
今年の箱根駅伝で総合3位に入った大学として記憶に新しい。陸上競技部の他、硬式野球部、バレーボール部、サッカー部、ゴルフ部、応援部チアリーディングなどが有名である。千葉県我孫子駅からスクールバスで5分という、郊外では比較的便利な場所にある。大学開学は1966年であるが、1900年に発足した日本橋簡易商業夜学校が前身となっている。商学部と法学部の2学部からなる小規模の大学である。またそれぞれの学部がさらに複数のコースに分かれており、学生が選択に困らないように配慮されている。スポーツを目玉にしようという大学の戦略のためか、商学部にはスポーツキャリアコース、法学部にはスポーツと法コースが設置されており、運動部特待生の受け皿が用意されている。

入試の倍率は特待生以外ほぼ1倍であり、複数のAO入試や推薦入試、1科目入試、2科目入試などあの手この手を尽くしているものの、受験生集めは相当苦労しているようだ。これでは大学の先生も落ち着いて研究は出来ないであろう。

パンフレット研究:東京経済大学

明治・大正時代の実業家大倉喜八郎が創設した大倉商業学校が母体となっている歴史ある大学である。ちなみにホテルオークラも大倉喜八郎の長男が作ったものであり、大手ゼネコンの一角を担う大成建設も大倉喜八郎が創業したものである。

大学の方は伝統があり、学生も全学で5000人を超える規模があり、出身私立大学別役員・管理職数(全上場企業)でも駒沢や明学を抜いて全国27位であるにも関わらず、相変わらず地味な印象は拭えない。やはり国分寺という東京郊外に位置することと、「東京経済」という没個性的な大学名が元凶であろう。
短大が廃止され、経済学部と経営学部、コミュニケーション学部、現代法学部の4学部からなる。大学のパンフレットとしてはオーソドックスなものである。公認会計士養成の専門学校であるTACや大原学園、また語学学校のベルリッツといった学校と提携し、様々な資格取得を応援している。

薬害エイズの原告となり現在は参議院議員となっている川田龍平さんの母校でもある。また政治評論家の粉川哲夫氏や韓国の人権活動家徐京植氏、また中米の反政府運動の研究の第一人者である山崎カヲル氏らが教授を勤めている。教授や学生の実力からしたらもう少し人気が出ても良い大学である。

漢字検定準一級

本日多忙の合間を縫って、古河で漢字検定準一級を受験してきた。数年前に一度受験をしたのだが、140点位で落ちた試験である。その後、もう一度申し込んだのだが、勉強不足で受験に至らなかった。今回は捲土重来を期しての受験であった。
主に東京大学漢字検定研究会編集の『東大生直伝! 漢字検定準1級まるごと対策問題集 2009年版』(桐梧書院 2008)をテキストとして用いた。体裁は他の問題集と大差ないのであるが、漢字にまつわるコラムが興味を引いた
自己採点の結果は163点であった。

卯酉、檮昧、砥礪、坐に、菱形、蒜、疎明、逐鹿、隆昌といった漢字の読み書きができなかった。
160点以上が合格なので、次は1級かと思って問題集を手に取ってみたが、あまりの難しさというか晦渋さに唖然とした。