地理」カテゴリーアーカイブ

「田植え不要のコメ栽培支援」

本日の東京新聞朝刊に、「乾田直播」によるコメ栽培が増えており、農林水産省も補助金による支援に乗り出すとの記事が掲載されていた。乾田直播とは、苗作りを省き、水を張っていない水田に直接種を播く手法のことである。東南アジアで一般的な畑に種を蒔き、畑作として栽培する陸稲とは異なる手法である。

地理用語で捉えると、これまでの日本の水田は土地生産性は高いものの、大規模化できないため労働生産性が低くなっていた。この乾田方式は田植えや苗作りが不要なので大規模化しやすく、トラクターを利用することで労働生産性が上がることが期待される。

記事によると、水を張った田からはメタンガスが発生するという難点があり、メタンは二酸化炭素(CO2)の25倍の温室効果を持つとされ、水田からの排出量は国内の約4割を占めるという。

水田は自然のダムであり、治水の面でもメリットがあり、効率化だけで大規模化することに異論は多々あろう。しかし、農業人口の減少と食料安全保障の観点からも、米の大規模栽培の研究・支援は正しいベクトルに向いていると考える。

「米南部洪水24人が死亡」

本日の東京新聞朝刊に、米テキサス州中部での洪水被害の模様が報じられていた。
記事によると、4日未明に一部地域で1時間の降水量が300mmを超える集中豪雨になったようだ。

ちょっと想像のつかない降水量である。気象庁のHPに掲載されている日本の1時間あたりの降水量ランキングによると、1999年に千葉県香取市、1982年に長崎県長浦岳で記録された153mmが歴代1位となっている。1時間に50mmを超えると傘も役に立たないほどの土砂降りとなる。埼玉県熊谷市でも2020年に10分間に50mmというとてつもない降水を記録しているが、それと同じ量が1時間も続けて降ったのだ。

「サンタの墓 発見?」

本日の東京新聞朝刊にトルコ南西部でサンタクロースのモデルとなった司教の石棺らしきものが発見されたとの記事が掲載されていた。記事によると石棺は石灰岩で出来ており、地震や津波で運ばれと推定されている。

授業中にも扱ったが、トルコは全域がアルプス=ヒマラヤ造山帯に位置しており、日本と同じく地震大国である。トルコとギリシアの間のエーゲ海は多島海で知られるが、活発な造山活動の結果である。数年ごとに津波を伴う大きな海洋地震がニュースでも報じられている。一昨年2023年の2月にはトルコとシリアの国境付近で大きな活断層地震があり、両国で56,000人の死者が出ている。

また、石棺が石灰岩で出来ているという点から周辺の土地が隆起したことが伺われる。トルコ南部はアフリカプレートとエーゲ海・アナトリアプレートの狭まる境界のど真ん中にあり、日本と同じく、脊梁山脈(アナトリア高原)が形成され、沿岸部の土地が激しく上下したことであろう。

 

「微小プラ サンゴ骨格内に」

本日の東京新聞夕刊に、マイクロプラスチックがサンゴの体内に取り込まれ、骨格に蓄積されているとの記事が掲載されていた。ちょうど授業でマイクロプラスチックについて扱っているところだったので、はたと目に留まった。

「山田うどんに煮ぼうとう」

本日の東京新聞朝刊の埼玉版に、深谷市の郷土料理の「煮ぼうとう」が、山田うどん食堂のメニューに加わったとの記事が掲載されていた。
気になったので統計データを調べたところ、深谷市の水稲作付面積は751haに対し、小麦は549haとなっている。荒川を挟んで東部は稲作が圧倒的だが、西部は小麦が優位になっている。深谷市の隣にある本庄市では水稲が444haに対し、小麦が1,026haと大差を付けている。ちなみに春日部市は水稲が1,434ha、小麦が24haである。明治の頃の統計はなかったが、深谷市の郷土料理にうどんが名を連ねているのは納得できる話である。