月別アーカイブ: 2014年12月

「別のしかたで弱いつながりを読み、ウェブ社会のゆくえを考える」

charlie&chiba

長野へ向かう車を運転しながら、Podcastで配信されている鈴木謙介、千葉雅也「別のしかたで弱いつながりを読み、ウェブ社会のゆくえを考える」(TBSラジオ 2014年09月27日放送)を聞いた。
「弱いつながり」とは、東浩紀氏の著書『弱いつながり:検索ワードを探す旅』(幻冬社 2014)に由来するもので、グーグルの変換予想で想定されるような狭い生き方ではなく、身体の移動や旅によってかけがえのない人生を手に入れようという趣旨の本を踏まえた討論である。仕事のことを考えながらだったので、あまり集中して聞いていなかったのだが、東浩紀氏の「旅に出るということは、検索ワードを探しに行くことだ」という著書(?)のフレーズが耳に残った。ちょうど、私自身がまさに「検索ワード」を探しに行く途中だったので、自分自身の行動を言い当てられているような妙な気持ちになった。

続いて、塚越健司プレゼンツ「僕はなぜ『嫌われる勇気』にハマるのか」(TBSラジオ 2014年09月28日放送)を聞いた。
フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想をまとめた『嫌われる勇気』にまつわる四方山話が展開される。
こちらはあまり印象に残らなかった。

『津和野殺人事件』

内田康夫『津和野殺人事件』(光文社文庫 1988)を読む。
1984年に刊行された本で、国鉄という響きが懐かしい「昭和」を感じる作品であった。
ただ観光地の地名だけを借りたインチキな旅情ミステリーとは違い、山深い島根県津和野の文化や因習をモチーフとした連続殺人事件物である、津和野と東京の対比が、田舎体質と都会の空気、引いては戦前と戦後の社会のあり方の隔絶を象徴しており、一流の文学作品と評してもいい内容であった。
ご存知名探偵浅見光彦の推理と寸分違わずに物語が進行していくが、物語のスケールが大きいために、かえって強引なスピード感が小気味良かった。

渋谷の3公園 年末年始閉鎖 「炊き出し妨害」計画の団体反発

本日の東京新聞朝刊に、厳冬の最中、渋谷区が昼の公園からも野宿者を閉め出すという記事が掲載されていた。
ここまで来ると、法治国家の箍が外れ、区役所サイドの思惑で何でも通してしまう「行政の暴走」を容認することになる。
そうした暴走を止めるには、現場での少々荒っぽい実力行使しか解決策はない。
一見、渋谷区内の3つの公園の使用という小さな問題かもしれないが、そこには格差社会の進行や生活保護費の切り下げなどと相まって拡大する弱者の切り捨てという大きな社会問題でもある。
支援団体の皆さんは心身ともに大変だと切に思う。子どもが小さいので参加は難しいが、心ばかりの寄付という形で貢献したいと思う。

そういえば、1997年か98年頃に渋谷の越年闘争に参加した時、宮下公園から蒲田にあるバイト先まで執拗に公安の尾行がついたことをふと思い出した。ドラマみたいに雑踏の中を走ってみたり、ドアが閉まる直前に電車に飛び乗ってみたりしたが、尾行のプロは容易には欺けなかったっけ。( ^_^)/~~~

以下、東京新聞のHPより転載


20141227来年1月3日まで閉鎖される宮下公園=26日、東京都渋谷区で

 東京都渋谷区は二十六日、宮下公園など三つの区立公園を来年一月三日まで閉鎖した。宮下公園では年末年始にホームレスの人たちの支援団体が炊き出しを計画していた。区の担当者は「公園のルールとして火気厳禁。炊き出しをするなら利用は認められない」としている。
 緑と水・公園課によると、閉鎖したのは宮下公園と、その近くの神宮通公園、美竹公園。吉武成寛課長は「炊き出し場所の移動が想定されるため」と話す。いずれも敷地はフェンスで囲まれ、通常は午後十時半に閉門し、翌朝午前八時半に開く。二十六日朝は閉鎖の掲示が掛かり、定時になっても開門しなかった。
 宮下公園では「渋谷越年・越冬闘争実行委員会」が炊き出しを計画。昨年は公園内に宿泊用テントを設置して区から強制的に閉め出されたため、今年はガスコンロ二台で炊き出しのみを行う予定だった。メンバー約十人は二十六日、区役所を訪れ「命の危険に関わるから炊き出しをしている」と抗議したが、吉武課長は「違う場所を探してほしい」と拒否した。
 夏祭りの屋台では火気が使われるが、吉武課長は取材に「それは許可申請が出ている」とした。
 貧困支援のNPO法人もやいの稲葉剛理事は「野宿者を排除する動きは他の地域でもあるが、ここまで露骨なのは異様だ。年末年始は行政の福祉が機能せず、補う形で民間団体が支援している。それを妨害するのは言語道断」と話した。

〈集会等お知らせ〉

以下、メーリングリストより転載します。

★俵義文です。私も呼びかけ人になっている国会包囲行動です。
     ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
      1.25 国会包囲ヒューマンチェーン
       沖縄の民意を無視するな! 辺野古に基地はつくらせない!
     ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
 とき:2015年1月25日(日)14時?15時
 場所:国会周辺(国会正門向かいの通りから集まり、国会包囲を目指します)
 最寄り駅(国会議事堂前、永田町、霞ヶ関)
 主催:「1.25国会包囲ヒューマンチェーン」実行委員会
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2015年1月は、沖縄の全41市町村長を含む代表団が東京・日比谷野外音楽堂で集会・デモを行い、安倍首相に「建白書」を直接手渡してから2年となります。「建白書」の要求は2つでした。

 1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること。
 2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、辺野古への「移設」を断念すること。

 その後、仲井眞知事(当時)が公約をひるがえして、辺野古埋め立てを承認するということもありましたが、今や、辺野古新基地建設は認めないという沖縄の民意は明らかです。
 2014年11月16日、辺野古新基地建設反対を掲げる翁長雄志氏が沖縄県知事選に勝利しました。12月14日の衆議院選挙においても、辺野古新基地建設に反対する候補が沖縄全4区で当選しました。しかし、安倍首相は「普天間の固定化はあってはならない。選択肢は辺野古しかない」と述べ、あくまでも辺野古に基地を建設する姿勢を変えていません。
 日本全土の0.6%の面積の沖縄に在日米軍基地の74%を押しつけている上に、普天間基地の撤去を理由に基地を沖縄県内でたらい回しにすることは許されません。選挙の結果を見ても沖縄の民主主義は機能しています。今問われているのは日本「本土」の市民の人権感覚と民主主義ではないでしょうか。
 政府が沖縄の民意を無視しようとしている今、日本「本土」の側でも反対の声をあげ、辺野古にも高江にも基地はつくらせないという私たちの抗議の意志を目に見える形で明らかにしましょう。
 2015年1月25日は国会開会日の前日となる見込みです。翌日からの国会の議論にも影響を与えるべく、ヒューマンチェーンで国会を包囲します。

 〈呼びかけ団体・個人〉
青木初子(部落解放同盟品川支部、名護市出身)/アジア共同行動/ATTAC Japan(首都圏)/厚木基地を考える会/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会/沖縄意見広告運動/沖縄の自立解放闘争に連帯し反安保を闘う連続講座/沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック/沖縄文化講座/沖縄のための日米市民ネットワーク(JUCON)/オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワーク/<語やびら沖縄>もあい練馬/川平朝清(東京沖縄県人会名誉会長)/鎌田慧(ルポライター)/協同センター・労働情報/金城驍(東京沖縄県人会副会長)/金城吉春(中野・あしびな~)/原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議/憲法九条やまとの会/相模補給廠監視団/島袋徹(東京沖縄県人会事務局長)/島袋善弘(山梨県立大学名誉教授)/ジュゴン保護キャンペーンセンター/STOP! 辺野古埋め立てキャンペーン/すべての基地にNOを・ファイト神奈川/戦争反対・平和の白いリボン神奈川/全国労働組合連絡協議会/高橋哲哉(哲学者)/俵義文(「子どもと教科書全国ネット21」事務局長)/日韓民衆連帯全国ネットワーク/日本山妙法寺/反安保実行委員会/「バスストップから基地ストップ」の会/非核市民宣言運動ヨコスカ/ピースサイクル首都圏ネット/ピース・ニュース/ピースボート/フォーラム平和・人権・環境/平和をつくり出す宗教者ネット/平和をつくる大和市民の会/辺野古への基地建設を許さない実行委員会/辺野古リレー~辺野古のたたかいを全国へ~/本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール/前田哲男(軍事ジャーナリスト)/宮森・630を伝える会/許すな!憲法改悪・市民連絡会/ゆんたく高江/ヨコスカ平和船団/労働運動活動者評議会/渡辺美奈(女たちの戦争と平和資料館(wam)事務局長)
   〈問い合わせ〉沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック TEL:090-3910-4140
          沖縄意見広告運動         TEL:03-6382-6537
          ピースボート           TEL:03-3363-7561

『まんが中国語入門』

高信太郎『まんが中国語入門:楽しく学んで13億人としゃべろう』(光文社 1999)を読む。
極めて分かりやすい中国語入門である。
得てして外国語の学習は「正しい」発音から入るので、変な発音をしてはいけないという意識が先行して、話そうという気持ちが萎えてしまう。この本は逆に「主語+述語+目的語」という文型の説明から入り、簡単な英文法と漢字の知識を活用して、どんどん文章を作っていく。まんがのメリットが十分に生かされ、30分ほどで中国語の何たるかが分かった気分になった。いささか説明も強引であるが、漢文の基本構造通りに漢字を当てはめていけば文章が作れるので、読んでいて楽しかった。
我喜歓看中国語的書 我想学中国語
前書きにあったことばを引用してみたい。

 中国語は、日本人が学びやすい言葉です。たしかに発音は難しい。でも、日本人は漢字で育っていますから、他の国の人が中国語を学ぼうとするときより、ずっと楽なはずです。
 中国語を勉強して楽しいのは、「日本語がわかる」ということでもあります。日本語の熟語は、元はこういう言葉だったのか、と驚くことがあります。日本は中国から多大な影響を受けてきました。それが現在、なぜ違うのか? 同じなのか? 日本語と中国語の関係は、知れば知るほどおもしろいです。