月別アーカイブ: 2021年12月

『スンダ生活誌』

村井吉敬『スンダ生活誌:変動のインドネシア社会』(NHKブックス 1978)を読む。
つまらなそうな本だったので読み流すつもりだったが、著者自身がインドネシアのパジャジャラン大学に留学した際の経験をもとに説明されており、今年最後の読書と思いじっくりと読んだ。

ちょうど1970年代半ばの頃の話で、インドネシアが緑の革命や工業化を迎えた混乱が丁寧に説明されている。特に肥料・農薬とセットになった高収量品種による緑の革命は、それ以前の農村共同体を破壊するものであり、底辺層の格差がより拡大し、都市に貧困層が流入し、インフォーマルセクターの増大に繋がっている。1970年代からジャワ島の首都ジャカルタへの一極集中が問題となっているが、その背景には緑の革命による農村破壊がある。また、日本企業が押し付ける都市化や工業化といった近代化が、伝統的なインドネシアの習慣を破壊していると著者は指摘する。

イオンのちらし

イオンで見かけたちらし。
いよいよ、教員不足が顕著になってきた。おそらく現場は混乱であろう。
教員免許状更新制度が出来てから、人材不足に一層の拍車がかかっている。
教員の仕事そのものを魅力溢れるものにしていかねばならない。

宇都宮ライド

今年最後のライドは、小学校6年生と4年生の子を連れて、1泊2日宇都宮往復ライドとなりました。行きは千葉県柏から茨城の境や栃木の結城を経て宇都宮に至る日光東往還と呼ばれた県道を繋ぐコースです。帰りは宇都宮の柳田大橋というところから鬼怒川サイクリングコースを経由するコースです。帰ってくる途中でパンクがあり、何度もコンビニで休憩を繰り返し、最後はブルベのように夜道をひたすら走り切りました。

今年は息子という一生の付き合いのできるサイクリング仲間とあちこち行くことが充実した一年となりました。ちなみに真ん中の子の自転車は、自転車系ユーチューバーの方から購入した、R2000クラリスで組まれたフェルトのZ100という10年くらい前のロードバイクです。今月上旬も横田基地やら鎌倉、平塚周辺を走りました。

下の子の自転車も自転車整備を生業としている個人の方から購入した、オルベアのアヴァンというロードバイクをフラットバー化したものです。フレームに貼られたメイド・イン・スペインのシールがカッコいいです。ただ、9速のシフトレバーとスプロケットに、10速の105のディレーラーを合わせて組まれたもので、シフトチェンジがどうにもしっくりきません。フロントはシングルにしたものの、リアはトラブル続きです。

来年は3泊4日くらいでロングライドにチャレンジしたいものです。


『やさしい行列とベクトル』

川久保勝夫『やさしい行列とベクトル:なぜヨットは風上に進めるのか』(日本実業出版社 1987)を読む。
東大理学部数学科を卒業し、阪大理学部で線形代数学を研究する著者が、一般の方向けに分かりやすく、行列とベクトルの基本と、両者の関係性について分かりやすく語る。スキーやゴルフ、マーケティングなど分かりやすい題材を挙げて、数学的な解説を加えている。

コリオリの力や偏西風の原理などもベクトルを使って説明するのだが、さっぱり分からない。一般の人が以下の説明を読んで理解できるだろうか。

コリオリの力は、運動方向に対して常に垂直であるために、仕事をしない力です。このことは内積を考えれば分かります(cosθ=0ですから)。

高度約5000メートル以上では北極に低気圧があり、等圧線は北極を中心にしてほぼ同心円をなしているのです。したがって北極に向かって風が吹き、コリオリの力で方向が右にかえられるのです。上空では摩擦係数が少ないから「地衡風」となり、ほぼ東に向かう、つまり西風になるのです。

「佐渡金山 世界遺産推薦の候補」

本日の東京新聞朝刊に、文化審議会が佐渡金山の世界文化遺産登録に向けて動き出しているとの記事が掲載されていた。
一般に地理の教科書では、金や銀、銅、錫などの非鉄金属は新規造山帯から産出されるとの記述がある。新期造山帯は約2億5000万年前から急激な造山運動を受けて形成され、鉄鉱石を除く地下資源が豊富に存在する。但し金や銀などのレアメタルは必ずしも新期造山帯から産出されるものではなく、地球上の各地に偏在する。

以下に、金産出国の最新の統計データを引用しておいた。数年前まで上位に入っていた南アフリカは既にベスト10から外れている点に留意したい。

2020年の金産出国のランキング ベスト10

1 中華人民共和国(中国) 380t
2 オーストラリア 320t
3 ロシア 300t
4 アメリカ合衆国(米国) 190t
5 カナダ 170t
6 ガーナ 140t
7 インドネシア 130t
8 ペルー 120t
9 カザフスタン、メキシコ 100t