地上波で放映された、澤井信一郎監督『恋人たちの時刻』(1987 東宝)を観た。
確か高校の頃にビデオを借りて一度観たことのある作品である。ただ話の中身は途中からうまい具合に忘れており、初見の映画として最後まで楽しむことができた。話の中身をすっかりと忘れていたのは、高校生当時、予備校生と過去にトラウマを持つ歳上の女性との恋愛事情など理解できる筈もなく、あまり印象に残っていなかったのが原因だろうか。
一度だけセックスを許しながらするりと消えてしまう魔性の女を河合美智子さんが演じている。シナリオ段階では、薬師丸ひろ子さんと原田知世さんと一緒に「角川三人娘」と称された渡辺典子さんが演じる予定であったのだが、ヌードシーンが多いために辞退されたそうだ。河合美智子さんは当時は全くの無名な女優だったので、角川のアイドル映画というよりは、アングラな香りのする日活ロマンポルノ風の作品になってしまっている。その点で評価は分かれるであろう。