月別アーカイブ: 2012年11月

研究授業

本日の午後、小学校1年生の娘の授業見学に出かけた。
春日部市の研究委嘱を受け、学び合い育ち合いの算数の授業を研究しているとのことである。小学校というと行事やマナーの指導に重点が置かれるのかと思いきや、学力向上が学校としての取り組むべき課題であるそうだ。
繰り下がりの計算であったが、単に問題を解くのではなく、なぜそうなるか論理的に考え、皆の前で説明する思考力や表現力の育成に力を入れていた。隔世の感すら感じた半日であった。

『SELF BRAND:出身大学を決めろ!』

本屋で無料で配布している、『SELF BRAND:出身大学を決めろ!』(FROMPAGE監修 2012)という大学案内の広報誌を読んだ。国公立私立を問わず、大学のキャッチコピーがその大学の立ち位置をよく表していると感じた。広告のページの一番大きい文字の文句を並べてみたい。

東京大学:「世界を担う知の拠点」へ
京都大学:自問自答 The answers are within you.
明治大学:世界へー「個」を強め、世界をつなぎ、未来へー
名古屋大学:世界が求める勇気ある知識人を育てます。
中京大学:ここから世界へ
大阪医科大学:80余年の伝統と、革新の医学教育環境。
立命館大学:自分を超える、未来をつくる。
立命館アジア太平洋大学:私たちの力で平和な未来を 世界中から集った教員 ・学生と学ぶキャンパス
上智大学・南山大学:カトリックが結ぶ半世紀の絆。
名城大学:穏健中正
常葉大学:つながる、ひろがる、つくりだす。
早稲田大学:日本の早稲田から、世界のWASEDAへ
専修大学:次に繋ぐもの 新たな歴史の創造をめざして
駒澤大学:人は、人から学ぶ。
東京理科大学:CONSCIENCE−科学は良心へ向かう。
中央大学:実学と叡智を兼ね備えた「行動する知性」を育成。
神戸大学:真摯・自由・協同
甲南大学:どこにでも ありそうだけど ここにしかない
神奈川大学:約束します、成長力。−成長支援第一主義−
関東学院大学:横浜へ進路をとれ。
日本大学:多彩な学び 多彩な翼
北海学園大学:北の大地に127年の歴史。
千歳科学技術大学:未来を創る科学を学ぶ。
岩手医科大学:医療人たる前に誠の人間たれ
東北工業大学:創造から統合へ。
茨城大学:知的好奇心をもって挑戦しよう。
白鴎大学:空には、さえぎるものはない。
埼玉県立大学:ゆとりとチャンスに満ちた21世紀のフロンティア、埼玉で学ぼう
埼玉大学:日本の未来、世界の舞台へ翔こう!
女子栄養大学:管理栄養士国家試験合格者数226名 合格率100% やっぱり女子栄養大学です。
城西国際大学:8学部の総合大学
青山学院大学:2013年青学の新たな歴史が始まります。
國學院大學:2つで1つの未来 SHIBUYA+YOKOHAMA=KOKUGAKUIN Univ
首都大学東京:考えるとは
東京工科大学:東京工科大学は、「実学主義」を掲げています。
東京家政大学:専門職に強い 職業人養成131年
東京農業大学:緑と生命を科学する
法政大学:大内兵衛と論語
新潟大学:新潟大学が育むのは「人財」です。
富山県立大学:夢見るだけじゃ終われない・“現在の不可能を未来の可能に”それが「工学心」。
山梨学院大学:個性を育み、個性を磨く未来型キャンパス
静岡県立大学:個を拓き、強い絆で知を発信
愛知医科大学:人が中心の医学教育に取り組んでいます。
愛知工業大学:四年後、君はきっともっと強くなっている。
愛知淑徳大学:次代を生き抜く力を育む
藤田保健衛生大学:獨創一理
滋賀大学:素顔で学ぶ。素直に生きる。
京都外語大学:言語を通して世界の平和を
京都産業大学:京都に、ひとつ
龍谷大学:これからも、共に生きる。
大阪学院大学:実学を究める総合大学 就職サポートも充実!
関西福祉科学大学:人の幸せを願う こころで 福祉科学を学ぼう
森ノ宮医療大学:WE love 森
福山市立大学:知は明日を開く
西南学院大学:「人間愛」を育みながら、世界へ、未来へ。
長崎県立大学:未来力
熊本学園大学:熊本学園は創立70周年を迎えました。
崇城大学:大学でパイロットになるということ
横浜市立大学:教養を身につけ、国際性を磨く。
慶応義塾大学:慶応義塾は、すべての人に開かれている
東京農工大学:地球をまわそう
金城学院大学:女性の人生を豊かにする大学は、就職に強い。
日本女子大学:あたらしいあなたをみつける大学
一橋大学:知と業(わざ)のフロンティア
福岡教育大学:夢が叶って先生になりました。
久留米大学:自由と自律が“想い”を実現する。
九州大学:知の新世紀を拓く
福岡大学:手にしたい夢がある。
関西大学:社会を見つめ、変化に挑む。「考動」する関大人が世界を拓く。
関西医科大学:2013年関西医大が変わる

こう並べてみると、横綱の東京大学が「知の拠点」と宣伝しているが、それに符号するかのように京都大学が「自問自答」、一橋大学が「知と業」、中央大学が「行動する知性」と称しているところが面白い。押し並べて地域の拠点校となるべき公立大学がやたら「世界」や「国際」「未来」といった空疎な宣伝文句が並び、マーケティング戦略が外れている気がする。また、ワースト1は、母校で残念なのだが、早稲田大学の「日本の早稲田から、世界のWASEDAへ」であろう。もう少ししゃれた文句は考えつかなったのであろうか。

『30歳からの「東大脳」のつくり方』

石浦章一『30歳からの「東大脳」のつくり方』(ベスト新書 2009)を読む。
いささか刺激的なタイトルであるが、人をひきつける脳の仕組みやビジネスで成功する頭の使い方、また脳を活性化するための健康的な生活の提案など、生徒に話しかける題材として適当な内容であった。

冒頭で著者は東大生を教える立場から見えてきた東大生の特徴−「東大脳」−として次の10点を挙げている。

  1. 情報を適確に収集する
  2. 正確に記憶する
  3. 本を読む習慣がある
  4. 自ら意欲を高められる積極性がある
  5. 専門性を磨いている
  6. 集中力がある
  7. 生活が規則正しい
  8. きちんとした食事を摂る
  9. 運動が好き
  10. 素直である

著者は、上記の10項目それぞれについて具体的な目標や数値目標を設定し、小さな成功体験を積み重ねながら、報酬を自らに与える事で、「正の回路」のつながりを強化し続けることで、誰しもが「東大脳」になれると述べる。

『サウンド・オブ・ミュージック』

大分前に地上波で放映された、ロバート・ワイズ監督『サウンド・オブ・ミュージック』(1965 米)を観た。

高校生の頃だったかにテレビで観た記憶があるが、高原をバックにした家庭教師と子どもたちの楽しい合唱の場面の印象があまりに強くて、ドレミの歌やエーデルワイスの奇麗な歌が流れるミュージカル映画とばっかり思っていた。

しかし、今回池上彰さんの解説を聞いてから観たのだが、前半は家族の愛の物語、後半は一転してナチスに音楽で抵抗する家族の姿が浮かび上がってきた。「トラップ大佐家族=正義、ナチス=悪」という、いかにもアメリカ人が好きそうな図式に則った映画なのだが、主役のマリアを演じたジュリー・アンドリュースの演技に最後までひき込まれてしまった。

東京スカイツリー


本日は、真ん中と下の子ども二人を連れて電車で東京スカイツリーへ行った。
展望台へは上らずに、併設のソラマチというショッピングモールをぐるっと回っただけであった。1歳半の下の子は寝ているだけであったが、真ん中の子はお気に入りのトミカショップとプラレールショップに目が爛爛であった。結局滞在時間の半分以上をトミカショップ内の商品で遊ぶ時間に費やし、家にいるのとほとんど代わり映えしなかった。

途中、ベビーカーを押しながら、「つきぬけて / 天井の紺 / 曼珠沙華」という有名な近代俳人山口誓子さんが創作した俳句がふと頭を過った。東京スカイツリーは、さながら「つきぬけて / 天空の墨 / 東京塔」といった出で立ちであった。

東京スカイツリーは設計段階で、「日本の伝統美と近未来的デザインの融合」を狙いととしたそうだ。しかし、「雅」や「風流」、「粋」といった伝統というよりも、無国籍な日本の現在の文化を見事に象徴したようなデザインである。「好き」というよりも「嫌いではない」という消極的な好印象といった趣だ。