昨日社事大通信教育科社会福祉士養成課程のレポートを全て提出した。4期にわたって通算28本のレポートを書いたことになる。ほとんど参考書の要約に過ぎないものだが、時間のない中で文章をまとめる練習にはなった。残すは9月のスクーリングと来年1月の国家試験だが、さて試験対策はどうしたものか。。。
社会福祉援助技術論4
規制緩和の流れを受けて、近年学校法人でなくても、学校経営が行えるようになった。ここでは社会福祉法人格での私立の養護学校の現状と展望を論じてみたい。
現在養護学校高等部が充実し、身体障害や重度の知的障害児だけでなく、LD、ADHD、高機能自閉症といった軽度発達障害児の受け入れ体制も整いつつある。しかし、高等部を卒業しても、すぐに就職することは難しく、働くための準備段階として授産施設ないし作業所に行く者が多い。しかし、そうした施設での作業と就職先での仕事はかけ離れており、長期にわたる準備段階を過ごす卒業生も多い。また、施設の職員も本気で就職支援に向けた取り組みをするでなく、保護者の方が結局は安定を求め、就職に二の足を踏んでしまうことが多い。
そうした中で、県立の盲・聾学校では高等部卒業生のために教育と労働の接点として専攻科を置き、学習指導要領では行えない指圧師や鍼灸師、理美容師など自立可能な資格を得るための授業を行なっているところも多い。実際に専攻科で資格を得て、就職した者も数多くいる。しかし、知的養護学校で専攻科を設けているところは、全国でも私学7校のみである。07年度に鳥取大学付属養護学校で公立では初めて専攻科を置くそうだが、その専攻科では、働く際に役立つようなホームヘルパー二級や自動車運転免許などの資格取得を支援し、さらに、在学中に成人する学生のため、年金の管理や参政権の行使、福祉事務所の公的機関の利用方法をも教えるということだ。かなりの需要が見込めるにも関わらず、定員は3名だけである。
私は今後、こうした養護高等部卒業後に実践的な資格を得るための教育機関が求められると考える。企業でのOJTや自動車免許取得は県立の養護高等部で行なうことはできない。数少ない私立の知的養護高等部専攻科では、実際の就職先と同じ作業の学習を行なうことで、スムーズな就職支援を可能としている。また、地域の企業や団体と契約を交わし、校外作業と仕事を一体のものとし、給与を支払う専攻科を設けている学校もある。
さらには、福祉施設では機能しにくい保護者会も、養護学校ではうまく組織化が可能である。社会福祉法人では、保護者と一体となって自前の施設や作業所の開設までこぎつけることができる。
昨年神奈川県で構造改革教育特区認定でLD児のための学校ができたが、その教育内容は一人ひとりに応じた指導など公立の二番煎じに過ぎず、経営は苦しいようだ。知的養護学校では陸上、サッカー、バスケットボールなど勝敗や得点の見通しが持ちやすい部活動が好まれる傾向にあるが、特殊教育においても、活発な部活動や就職実績など学校の特色を明確にした私立法人がどんどん参入し、よいサービス合戦を展開していく必要がある。
〈参考文献〉
一番ヶ瀬康子・河畠修編、大漉憲一著「自立って、なに」『障害ってなんだろう』旬報社、2002
鈴木静子『向日葵の若者たち:障害者の働く喜びが私たちの生きがい』本の泉社、1998
全国専攻科(特別ニーズ教育)研究会HP http://www.geocities.jp/zensenken/ 06/7/15確認
湘南ライナス学園 http://www.linus.ac.jp/index.php 06/7/15確認
大出学園若葉養護学校HP http://www.sugoizo.net/t04/wakaba-y/index.html 06/7/15確認
やしま学園高等専修学校HP http://www.yashima.ac.jp/kousen/ 06/7/15確認
旭出養護学校HP http://www16.ocn.ne.jp/~asahide/ 06/7/15確認