伊藤真『夢をかなえる勉強法』(サンマーク出版 2006)を読む。
ちょうど1週間後に大学の1回目の試験が控えているので、手に取ってみた。
「真の法律家・行政官を育成する」との宣伝文句を掲げている「伊藤塾」の塾長伊藤真氏が、司法試験に限らず、勉強の意味や勉強方法のコツを語る。
合格後の具体的なイメージを持ち、「ゴールからさかのぼって今を考えたり、まず全体像を把握したりなどの大まかな勉強法から、息抜きの時間やマーカーの塗り方、スランプの克服法など細かい勉強法まで分かりやすく書かれている。
その中でも、著者がディスコでアメリカ人から「憲法でいちばん大切なことを教えてくれ」と質問され、答えに詰まってしまったエピソードが印象的であった。著者は質問に対して当然のように「基本的人権と国民主権と平和主義だ」と答えたところ、何度か押し問答があった挙げ句、「お前は日本の憲法でいちばん大切なことを一言で言えないのか」とあきれられたという。そこで、家に帰って本をひっくり返して調べた所、憲法三原則の前に「個人の尊重」ということが書かれており、不勉強を恥じたという内容である。著者はそのとき、憲法をきちんと勉強しなければならないと痛感したと同時に、「一言で言えないのか」という言葉が胸に突き刺さったという。著者は、続けて次のように述べる。
本質を一言で言えないのは、わかっていない証拠である。わかっていないから、くどくどと説明してしまう。物事の本質はとてもシンプルなのだ。
以来、私は頭の中でいつも「一言で言うと?」「要するに」ということを意識するようになった。これは本質をつかむ上で非常に重要なことだった。
本を読むときとも段落ごとに「要するに何なんだ」と自分でまとめながら読んでみる。答案を書くときも「要するにここで何が言いたいのだ」と一言で言えるようにする。
毎回、「要するに」と自分に問うことで、勉強力は確実についていく。
これから残り14本のレポートと10個の試験をクリアーしていくための勉強の参考にしたい。