花粉と春一番に負ける

2月なのに、初夏の陽気だったので浅草まで走ろうと出発した。
しかし、松伏あたりで鼻がムズムズして、目が痒くなり、さらに強めの向かい風だったので、15km地点で折り返すことになった。

『マヤ』

チャールズ・ガレンカンプ著・高山信雄『マヤ:失われた文明の謎と再発見』(佑学社,1977)をパラパラと読む。
アステカ文明はメキシコ中央部で100年程しか続かなかったが、マヤ文明は紀元前500年ほどからスペインに滅ぼされる1500年まで、2000年も続いた文明であることだけ理解できた。

マヤ文明というと、小学生の頃に夢中になった藤子不二雄の漫画『タイムパトロールぼん』を思い出す。世界史に興味を持ったのも、漫画がきっかけであった。今現在の自分を支えているといっても過言ではない。

本の内容よりも、訳者の高山氏の経歴の方が気になった。
ウィキペディアによると、次のように記載されている。一体どういう人物なのだ?

高山 信雄(たかやま のぶお、1932年 – 2025年 )は、英文学者、電気技術者、童話作家、大正大学名誉教授。
埼玉県川口市生まれ。旧制川口中学校(現・埼玉県立川口高等学校)に入学後、15歳で就職し、31歳まで民間の工場や会社に電気技術者として勤務。その間、夜間課程の川口市立県陽高等学校卒、芝浦工業大学2部電気工学科卒業。1964-82年東京都立港工業高等学校定時制に電子科教諭として勤務。本務の傍ら、法政大学で英文学、中央大学でドイツ文学と法律学の学科を卒業し、東京大学医学部の研究生として6年間医用工学の研究に従事。法政大学大学院人文科学研究科博士課程単位修得退学。1982年大正大学に勤務。1991-92年ケンブリッジ大学客員研究員。大正大学文学部長をへて2003年名誉教授。2010年「コウルリッジにおける想像力の体系」で法政大学より文学博士の学位を取得

『食の世界』

菊地俊夫編著『食の世界:私たちの食を考える』(二宮書店,2002)を読む。
観光地理学者の菊地教授などの地理の研究者と、食品メーカーの技術担当者や、フランス料理、日本料理、中華料理の料理人の方が共同で執筆されている。大学の教科書のような装丁で、偏見を持って読み始めたのだが、大学教授の農業に関する地理学的な研究と、世界各地の食材を活かす料理人の経験が見事に符合していて、味のある著作となっている。
もともとは目黒区民のためのプロの料理人の料理を味わうことのできるオープンカレッジの企画として始まったものである。そこで配布された資料や受講生の質問に答えるための下調べが本書の元となっている。

主食の食材となるための基本的な条件は、毎年安定して大量に栽培できることが重要であり、それには一年生の作物が最も適している。次に、主食の食材として運搬が容易にでき、貯蔵性に優れていることである。小麦・米・トウモロコシは乾燥させた穀粒や袋や容器に詰めれば、どこにでも簡単に運ぶことができる。
主食となる穀物はデンプン質が主であり、タンパク質などの栄養素に欠けている点が短所である。そのため、穀物を補う形で畜産製品や豆類を組み合わせて食事を摂ることにより、栄養バランスを保つ工夫がなされている。

ジャポニカ米もインディカ米もインドのアッサム地方や中国の雲南地方を原産としている。ジャポニカ米は主に内陸で広がり、揚子江を経由して日本に伝わり、日本で品種改良がなされ、朝鮮半島や中国北東へ伝わっていった。インディカ米はその名の通り、インドを経由して、東南アジア各地へ拡がっていった。

小麦はシルクロードを通じて、中国北部へと伝わっていった。イタリアのスパゲティは、マルコポーロが13世紀に中国の麺の食文化を持ち帰ったのが始まりだと言われる。

ジャガイモはオランダ船がインドネシアのジャガトラ(現ジャカルタ)を経由して長崎にもたらされたことから、「ジャガタライモ」と呼ばれ、その短縮形の「ジャガイモ」が普及するようになった。現在でも日本のジャガイモの生産量は北海道に次いで、長崎が第2位となっている。また、明治期に入って、川田竜吉男爵がアメリカから北海道の気候に適したジャガイモを導入したため、「男爵イモ」という名称も普及している。

懐石料理とは、石を焼いて布に包み、これを懐に入れて暖をとった懐石に由来しており、温めた石を懐に抱いて一時の空腹を忘れる程度の質素で軽い食事を意味している。

関東の水はどちらかといえば硬水なので、昆布のうまみが出にくいので、鰹節を多く入れてその癖を消すために醤油が多く用いられる。関西はどちらかといえば軟水になるので、昆布のうまみが出やすく、少量の塩や醤油で美味しい味付けができる。

『手塚治虫がねがったこと』

斎藤次郎『手塚治虫がねがったこと』(岩波ジュニア新書,1989)をパラパラと読む。
著者は教育評論家で漫画評論家である。手塚治虫さんの葬式に向かう途中で、代表作を3つ考えるという場面から始まる。著者は『火の鳥』や『ブラックジャック』『アドルフに告ぐ』といった重厚な作品ではなく、アニメ化もされた『鉄腕アトム』と『ジャングル大帝』と『リボンの騎士』の初期3作品を挙げている。著者の言を借りれば、この3作品に手塚治虫さんの原点でもあり、多くの作品のテーマともなっている「戦争否定」や「いのちの大切さ」「宇宙」といった視点が入っているという。

『イラスト西洋哲学史』

小阪修平『西洋哲学史』(宝島社,1984)を30数年ぶりに少しだけ読み返す。
確か浪人生時代に購入した本だったか。マーカーが引いてあるところもあり、世界史の受験勉強の一環として読んでいたのであろう。
今回、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、ベーコン、デカルトの部分を教材研究として読み返してみた。浪人生時代には目から鱗が落ちるような読後感を覚えたような印象が残っているのだが、この歳になって読み返しても何の感興も起こらない。
精神的な疲れが出ているのであろうか。