『おしえて!ニュースの疑問点』

池上彰『おしえて!ニュースの疑問点』(ちくまプリマー新書,2006)を読む。
池上氏のこの手の本は10数冊読んでいたが、たまたま読んだことのないものであった。

授業ネタで気になったところを抜書きしておきたい。

  • 外国にも議院内閣制の国があり、「総理」は日本についてだけ使い、外国については「首相」を使うのがマスコミのルール
  • 東証TOPIXとは、1966年1月4日の株の値段の総額を100として計算している。ちなみに、今日の東証TOPIXは3649.85(前日比-49.00)となっている。
  • 東横インの本社は東京と横浜の間にあるので、東横インという名称となった。ちなみに本社は大田区新蒲田
  • レバノンはいくつもの宗教グループがあったので、アラファト議長をリーダーにしたPLO(パレスチナ解放機構)が拠点にした国。イスラエルがPLOを攻撃するためにレバノンに侵攻した際に大きな犠牲を払ったのが、レバノン南部にいたイスラム教シーアの人たち。彼らが作ったのが、ヒズボラ。イランがヒズボラに対し大量の資金と武器弾薬を送るので、イスラエルはヒズボラつ追討のためにレバノンに攻撃をしかける。

『生活環境主義でいこう!』

嘉田由紀子語り/古谷桂信構成『生活環境主義でいこう!:琵琶湖に恋した知事』(岩波ジュニア新書,2008)をパラパラと読む。
語りは京都大学大学院農学研究科博士課程を修了し、琵琶湖研究所研究員、京都精華大学教授を経て、滋賀県知事となった嘉田由紀子さんである。埼玉県本庄市出身で、熊谷女子校を経て京都大学に進学した彼女がなぜ滋賀県知事となったのか、彼女の研究テーマが琵琶湖や琵琶湖周辺の町の環境問題であり、熱意を持って取り組んだ、その経緯はよく分かった。
しかし、なんともつまらない本であった。おそらくは著者の嘉田さんが滋賀県知事になった記念として刊行されたものであろう。知事の経歴と琵琶湖周辺の環境問題は分かったが、興味を持てなかった。

『歴史を動かした発明』

平田寛『歴史を動かした発明:小さな技術史事典』(岩波ジュニア新書,1983)をパラパラと読む。
1910年生まれの著者は、戦前の早稲田大学文学部史学科、同大学院を卒業後、1941年に科学史学会の創立に参加している。その後、同大学講師、同大学助教授、同大学教授、同大学名誉教授となっている。早稲田尽くしの生涯であった。

世界史の授業を受け持つ際に使えそうな豆知識がたくさん収録されていた。いくつか紹介したい。
(活版印刷の項で)印刷法は3つに分けることができる。それは凸版印刷と凹版印刷と石版印刷である。
そうか、凸版印刷は普通名詞だったのか。

ノーベル賞で有名なアルフレッド・ノーベルであるが、ダイナマイトで莫大な富を築いて、科学の発展に寄与貢献した人物という評価がある。しかし彼は「何もかもぶちこわすほどおそろしいものをつくれば、敵味方双方の軍隊が一瞬にして抹殺されるから、すべての文明国は恐怖のあまり戦争に背をむけ、軍隊はなくなるだろう」という持論で平和を語っている。今日、彼の持論は、核兵器の保持が戦争の抑止力になるという主張と似ている。

プルトニウムを使った、最初の実験は、1945年7月16日、ニューメキシコ州の砂漠で行われ大成功を収めた。ドイツはすでにその年の5月に降伏し、ヨーロッパでは戦火は消えていた。しかし核兵器を使わずにはすまなかった。ウラン爆弾は8月6日に、プルトニウム爆弾は8月9日に長崎に落とされた。
映画でも観たが、この「使わずにすまなかった」がポイントである。

19世紀後半の自転車には、タイヤに固形ゴムが用いられていた。しかし、これは悪路を走ると、振動が激しく、騒音がひどいものであった。そこで、アイルランドの獣医J・ダンロップが圧縮空気を満たしたゴム製のチューブを使ってみごとに解決した。

フォードのベルトコンベアは有名であるが、これはフォードが始めたものではない。彼はシカゴの肉詰め工場で作業者が動かずに移動するという能率的な方法を見て強い印象を受けた。そこでミシンやタイプライターの大量生産方式を自動車に応用したのである。

『ぼくとマラソン』

宇佐美彰朗『ぼくとマラソン:走れ!中学生』(岩波ジュニア新書,1980)を読む。
大学に入ってから本格的に陸上を始め、箱根駅伝やオリンピックにも出場した著者が、挑戦し続けた自身の経歴や、走るコツなどを分かりやすく語っている。著者は大学2年生で第40回箱根駅伝の第4区を走り、卒業後、メキシコ、ミュンヘン、モントリオールの3回のオリンピックにも出場されている。著者は日大経済学部を卒業後、日大文理学部体育学科に学士編入で再入学し、大学院博士課程まで進まれている。自身の身体でランニングフォームの研究を進めた努力の人でもある。

『タンデム・ロード』

アマゾンプライムで、滑川将人監督・長谷川亜由美出演『タンデム・ロード』(ニコニコフィルム,2023)を観た。
カップル二人でバイクにタンデムで世界一周を目指すノンフィクションムービーである。女性の声で内面の呟きのナレーションが入るので、フジテレビの『ノンフィクション』を見ているような感じだった。
ロシアやモンゴル、パタゴニア、アタカマ砂漠を突っ切るBMWはカッコよかった。また、ロードムービーやバイク映画という側面だけでなく、福島の原発被害なども触れられており、社会派的な側面もある映画となっていた。

自分も18、19の頃はアドベンチャーバイクに乗って、モンゴルを走る夢を見ていたものだ。映画を観ながら、自分の若かりし頃を思い出した。印象の深い映画であった。