月別アーカイブ: 2010年6月

「『普天間基地移設』という〈罠〉」

本日の東京新聞夕刊に、国際基督教大学准教授の田中康博氏の「『普天間基地移設』という〈罠〉」と題したコラムが掲載されていた。
一段落一段落が、ゴリゴリの反戦市民運動団体のような内容で、身につまされるような思いを禁じ得なかった。その一部を引用してみたい。

戦後日本の風景を根底のところで規定してきた日米安保体制。その軸を安定させるために、いわば人身御供になってきた沖縄。そこには、否定しがたい差別の構造がある。沖縄ブームの下で、南国イメージのみが一人歩きする祝祭空間「沖縄」の風景は、構造的差別を覆い隠す舞台装置でもある。

県民大会を受けて、「沖縄は怒っています」と同情してみせる中央メディアの言葉は、それを発する者の立ち位置を示している。基地の騒音や米軍絡みの事件とは無縁で安全な場所から発せられる言葉の重みはない。「戦後」という空間に安住してきた日本と、その空間の外部に置かれ続けてきた沖縄との〈距離〉を、そろそろ真剣に考えてみてもいいだろう。

不思議なことに、日米関係の危機を煽ることで、基地を沖縄に押しつけることに誰よりも積極的だったのは大手マスメディアだった。移設先をどこにするのかという出口なき相対論に普天間問題を矮小化し、日米安保体制の見直し、抑止論の真偽、そして基地の必要性といった本質的な議論を回避したメディアの責任は重い。

茨城空港へ

本日は初めて茨城武専に参加するため、石岡体育館へ出かけた。
夕方に時間があったので、石岡から10数キロの茨城空港に向かった。途中パチンコの看板と見間違えそうな体裁のアニメキャラの看板まであり、ニュースで報じられている通りの辺鄙な場所にあった。
着いた頃には4時半を回っていたので、空港は乗降客も送迎客の姿もなく、いかにも暇だからという風情の物見遊山の見物客がちらほらいた程度であった。現在は一日に2便が往復するだけであるが、既に8月末で、そのうちの神戸路線の廃止が決定している。
まさに税金の無駄遣いのキングオブキングである。空港の入り口の交差点脇に、「いちばん。」と書かれた自民党の参議院選挙のポスターが立てられていた。意図して設置されたのかどうかは不明であるが、国民の誰が見ても逆効果であろう。

『修羅の門:

川原正敏『修羅の門:

地上最強というのは幻である、彼はその幻に挑む挑戦者である。
誰よりもそれが幻であると知っているがゆえに。
おそらくはまた、戦うために歩き続けるのだろう。

「住まいと暮らしのEXPO 2010」

本日は久しぶりの休みとなったので、お台場にあるビッグサイトで行われた、三井ホーム主催の「住まいと暮らしのEXPO 2010」に家族を連れて出かけた。
三井ホームの独自の「2×4工法」の特徴の実験やら展示、また東京電力や東京ガスのイベントなど盛りだくさんの内容であった。さらに、春日部から観光バスで連れて 行ってもらった上に、昼食券やらお菓子、ジュース、様々な景品までついて、さながら無料バスツアーに参加した気分であった。
それにしても1歳2ヶ月の子どもを連れてのお出かけは大変である。一日中抱っこしていたら、子どもだけでなく私までぐったりと疲れが出てきてしまった。

『修羅の門:圓明流の奥義編』

川原正敏『修羅の門:圓明流の奥義編』(講談社 2006)から『同:ブラック・ライトニング編』まで、神武館での決闘から異種格闘技戦、そしてアメリカでのボクシング世界ヘヴィー級王座統一トーナメントを制するまで一気に読んだ。
原作は80年代後半から90年代初頭にかけて、『月刊少年マガジン』に連載されたものである。日本の古流武術の陸奥圓明流の達人陸奥九十九が、空手家だけ でなく、プロレスラーやボクサーなど、世界中の猛者を相手に決闘を挑んでいく。一見スマートでクールなキャラクターであるが、梶原一騎原作の『空手バカ一 代』や『ドラゴンボール』『北斗の拳』などの少年格闘漫画の要素がぎゅっと詰まっている。