月別アーカイブ: 2023年3月

『ピーター流外国語習得術』

ピーター・フランクル『ピーター流外国語習得術』(岩波ジュニア新書 1999)を読む。
著者はハンガリー出身の数学者である。自身の変わった経歴を述べつつ、外国語や外国文化を学ぶ秘訣について語る。ちょうど知識・技能」だけでなく「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」を重んじる学習指導要領が年次進行で実施されている。20年以上も前だが、著者は知識だけでなく、それを応用させること、そして貪欲学んでいくことを重要視している。

学校に通うことの意味でいちばん大切なのは、決して知識を得ることではなく、知恵を得ることだと思います。どういう意味で知恵かというと、人生に必要と考えられる知恵です。そのなかでもいちばん大切なのが勉強の知恵、学習の知恵なのです。新しい情報をどうやって手に入れるのか、新しいことをどうやって学ぶのか、いままでできなかったことがどうやったらできるようになるのか、その過程を学校に通うことによって覚えて、変化していく世界のなかで日々応用できるようにする。これが勉強の知恵です。

「キューバから亡命…WBCメキシコ代表に」

本日の東京新聞夕刊に、キューバからメキシコに亡命し、米大リーグで新人王となった選手が取り上げられていた。

NHKの国際ニュースナビで特集されている、キューバから亡命する若者が急増しているという記事と合わせて読むとキューバの置かれている状況が理解できると思う。

 □もうキューバにはいられない… なぜ?!30万人の国外大脱出

キューバからメキシコのユカタン半島まで直線で150kmほどであろうか。この距離を小型ボートで渡ったとのこと。

「ホンジュラス 台湾と断交」

本日の東京新聞朝刊に、中米ホンジュラスが台湾と断交し、経済支援を受ける代わりに中国を「一つの中国」として認めたとの報道があった。

世界史の範囲だが、日本が第二次世界大戦に負けて中国から撤退した後、中国国内では毛沢東ひきいる共産党と蒋介石ひきいる国民党の内戦が始まった。1949年に蒋介石が台湾島へ逃げ込み、大陸では中華人民共和国が、台湾島では中華民国がそれぞれ成立するという事態となった。米国やレッドパージが吹き荒れる日本は、共産主義を防ぐために台湾を支援した。しかし、1972年にとつぜん日中共同声明が発表され、日本も今回のホンジュラスと同様に台湾と断交することとなった。以後、日本政府は政治的には台湾と断交状態を続けている。

ホンジュラスは人口が約1000万人、他の中米諸国と同じくスペイン語で、カトリックを重んじる国である。主に熱帯の農作物(コーヒー、バナナ、パーム油、養殖エビなど)を輸出し、一人当たりのGNIは、2,180米ドル(2020年)となっている。観光が盛んであったが、コロナによって壊滅状態となり、経済成長率は-9.0%(2020年)、失業率は11.1%と悪化している。そこで政府は安定した経済を下支えする工業に力を入れようとしていたところに、中国の支援があったというのが廃液にあるようだ。

それにしても蔡英文総統は内政、外交と休まる暇がないね。就任してから7年目を迎えようとしているのに、髪型もメガネも全く変わっていない。おしゃれを楽しむ時間もないのであろうか。

『森はだれがつくったのだろう?』

ウィリアム・ジャスパソン文、チャック・エッカート絵、河合雅雄訳『森はだれがつくったのだろう?』(童話屋 1992)を読む。
森がどのように作られていくか、絵入りで説明する小学生向けの本である。最初のパイオニアツリーが生まれ、やがて別の種に置き換わり、日陰を好む中位の種も生まれ、落ち葉が腐食して柔らかい土が形成され、昆虫や動物が棲みつく極相林に落ち着いていく。ただ木を植えればよいというものではなく、競争や朽木、腐食などの段階を経て、200年かけて森が作られていく過程がよく理解できた。