芦原すなお『青春デンデケデケデケ』(河出文庫 1991)を読む。
ちょうど先日観た映画『スウィングガール』の男性版リメークのような内容である。
いや『青春~』は10年くらい前に大林宣彦監督がすでに映画化しているので、こちらが本家か。。。
月別アーカイブ: 2004年9月
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『白夜草子』
五木寛之『白夜草子』(文春文庫 1977)を読みかえす。
1971年の「文芸春秋」の1月号から12月号に連載された作品で、全共闘運動の最中大学を辞職し、挙げ句の果てにはインポになってしまった大学講師の話である。
過去に何度か読み返した作品であるが、全共闘運動が曲がり角を迎え、空疎な70年代の訪れを一人の主人公に託して巧みに描く。私の個人的な思い入れの強い作品である。
反体制である学生側と体制である大学側の両方からパージされた元大学講師は自分の拠って立つ場を失い苦悩する。そうした苦悩が下半身の不能という事態を導く可笑しくも重苦しい雰囲気の漂う作品である。主人公の元大学講師が、ひょんなことから1週間同棲することになった活動家の女子学生に下半身を指先で引っ張られながら、「階級的な罪の意識から解放されない限り、あなたは不動のままだと思うわ」と忠告を受ける場面がある。この女子学生の指摘するところは深い。きわめて日本人的な階級的思考形態を皮肉っている。
『時間街への招待状』
亀和田武『時間街への招待状』(新潮文庫 1985)を読み返す。
高校時代に買って以来読み返すのは3回目となった。時間感覚や空間感覚が妙にはまってしまい、私にとって印象に残るSF作品である。
『自閉症』
玉井収介『自閉症』(講談社現代新書 1983)を読む。
日常生活で普通に使う矛盾や例外、また仮定の条件付けや代用といった言語の「二重構造」が理解できない(彼等なりの理解をする)自閉症について具体的症例を交えて分かりやすく説明がなされている。