ハードディスクに録画してあった、ロバート・カーライル主演『フル・モンティ』(1997 英)を観た。
鉄工所を解雇された労働者のおじさんたちが仲間を集い、金を集め、ゴタゴタを繰り返しながら、ストリップショーを開催するまでの過程を描く音楽に乗せたドタバタ劇のコメディである。
寄せ集めのでこぼこ集団がクライマックスのステージに向かって結束を深めていくありがちな展開なのだが、イギリス社会に横たわる失業問題や黒人差別、離婚問題にも触れられており、最後まで飽きることがなかった。
月別アーカイブ: 2012年4月
『ターミナル・ベロシティ』
ハードディスクに録画してあった、チャーリー・シーン主演『ターミナル・ベロシティ』(1994 米)を観た。
合成の継ぎ目がはっきり見えてしまう昔ながらの絵柄や、手元に銃があるにも関わらず泥臭く殴り合ったり、ヒロイン同士がキスをしたりするお決まりの場面。また、KGBのスパイが米国内で金塊を運ぶといった設定など、20年前のアクション大作娯楽映画の王道の更にど真ん中を行く内容である。
時速500キロのジェットカーに乗ったり、空を飛んでいる飛行機に飛び移ったり、インディージョーンズばりのアクションシーンを彷彿させる場面もあり、初めて見る作品なのに「懐かしさ」を感じる作品であった。
東京新聞書評欄から
『早稲田はいかに人を育てるか:「5万人の個性」に火をつけろ』
白井克彦『早稲田はいかに人を育てるか:「5万人の個性」に火をつけろ』(PHP新書 2007)を読む。
先日、受講した駿台の講習の中で、数年前に早大総長が入試における古文のあり方について触れた本を出版したという話を聞いて手に取ってみた。しかし、残念ながら本書では入試の話については全く触れられていなかった。
執筆当時、早稲田大学総長を務めていた著者が、在任5年間の間に実現させてきた大学改革の成果を大々的にアピールする内容となっている。
早稲田大学では、大学設置基準大綱化以降の1990年代に主に大学院改革が実施され、大学院の位置づけの整備や新しい独立大学院の設置などが行われてきた。そして、受験生が減少が著しい2000年以降は、主に学部教育の改革が実施されてきている。その改革の目玉は、学部の垣根を越えた「テーマカレッジ」や、4人制の英会話ゼミの「チュートリアル・イングリッシュ」、そして、新入生共通の「コンピュータ教育」などである。どれも、90年代までのつまらないマスプロ教育や守旧的な講義内容の反省に立ったものである。
他に、海外への留学、また海外からの留学生の増加や、学部・大学院の設置、MBAの拡充、理工系の共同研究、さらには日本語ができない子どもへの教育など、その取り組み内容を読んでいると、一つの大学の範疇を大きく越え、県や政令指定都市の首長の著者を読んでいるような感覚に陥ってくる。