西川善雄『ちがいのわかる写真術:西川名人の比較写真教室』(三樹書房 1998)を読む。
筆者は、ピカソや岡本太郎などの訳の分からない、何か一風変わった絵やモニュメントを「芸術」だとする風潮を頭から否定し、技巧や工夫を凝らして「知的感覚を刺激する」ものこそが真の芸術であり、、そうした「真」を写す哲学が写真に求められると述べる。
前口上はさておき、左ページに良くない写真と、右ページに同じ構図や狙いの良い写真を並べ、どこにポイントがあるのか、分かりやすく解説している。人が向いている方の面積を広くした方が構図的に安定するとか、背景を入れるべき写真と、切った方がよい写真の違いとか、空と地面の割合のバランスとか、実際にカメラを手にして人物や風景と向き合ったときに使えそうなテクニックが多数紹介されている。
ちょうど明日同僚の結婚式があるので、こうした実践技術を活用してみたい。
月別アーカイブ: 2014年2月
「在特会ヘイトスピーチを非難」
本日の東京新聞夕刊に、米国務省が公表した2013年版の人権報告書に、在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える「在日特権を許さない市民の会(在特会)」のヘイトスピーチ(憎悪表現)に対する懸念が盛り込まれたとの記事が掲載されていた。
報告書は在特会のヘイトスピーチについて「極右団体が東京の在日韓国・朝鮮人が多い地域でデモ活動を行った。団体のメンバーは人種的に侮蔑する言葉を用いた」と非難し、在特会の会長らがヘイトスピーチに抗議する団体との衝突で逮捕されたことにも触れている。
また、報告書は日本に住むマイノリティーについて、在日韓国・朝鮮人に限らず、中国人やブラジル人、フィリピン人らも社会的差別を受けていると指摘している。
東京新聞では、「在特会」についてかなり丁寧な報道記事が載っているが、私もネット右翼を中心とした一部の過激な団体が新大久保周辺で騒いでいるだけだろうと思っていた。しかし、事は一部の勢力による一部の民族への反感という問題に留まらず、日本全体に排外主義が蔓延しつつあると、海外の目には映っているのである。少子化が進む日本は、今後移民に頼らなくては国が成り立たなくなる瀬戸際に立たされつつある。こうした多文化が進展しつつある中で、この排外主義の萌芽にはくれぐれも注意を払っていくべきであろう。
「作者と読者のコラボ」
『世界遺産 21の日本の迷宮』
歴史の謎研究会編『世界遺産 21の日本の迷宮:巻ノ三』(青春出版社 2000)を読む。
2000年当時の日本の世界自然・文化遺産10カ所(法隆寺・姫路城・白神山地・屋久島・古都京都の文化財・白川郷、五箇山の合掌造り集落・原爆ドーム・厳島神社・古都奈良の文化財・日光の社寺)が「曰く付き」の説明で紹介されている。
奈良の興福寺の阿修羅像はなぜか穏やかな表情をしている。
龍安寺の石庭はどの方向から見ても15個のうち1個は他の石に隠れて見えないようになってる。
海中から生えたように立っている厳島神社の鳥居はどうやって建てられたのか。
合掌造りの家屋で秘密裏に作られていたものとは何か。
原爆ドームはなぜあのような姿になったのか。
法隆寺を建てた聖徳太子は存在したのか。
白神山地に住むマタギのベールに包まれた生活。
特に屋久島の植物相に興味を持った。屋久島は、北緯30度の熱帯に位置しながら、標高2000メートルに近い山々が群れをなしている。そのため、山間にモミやスギなどの針葉樹林が生育する一方、海岸ではマングローグが根を張るなど、北は亜寒帯から南は熱帯まで南北2000キロメートルの日本全域の植物相が屋久島一島に凝縮されている。シダ植物は388種、種子植物は1136種が数えられている。
百聞は一見に如かず。日本にある世界遺産を巡る旅に出かけてみたいものだ。
『上手に写す写真の撮り方』
安藤博『カラー図鑑 上手に写す写真の撮り方』(成美堂出版 1993)をパラパラと読む。
稲妻の撮り方やヘリコプターからの撮影テクニックなど、少々上級者向けの内容であった。