月別アーカイブ: 2019年2月

本日の東京新聞夕刊から

講談師神田欄さんのコラム「紙つぶて」に,五千円札でおなじみの樋口一葉に関する話があった。神田さんは「今猶読み継がれる作品」と樋口一葉を持ち上げているが,「にごりえ」「たけくらべ」を読み通した読者はどれほどいるのだろうか。最初のページで挫折した自分が言うのも何だが。

宇都宮市にある文星芸術大学の新学長に漫画家のちばてつや氏が就任するとのこと。1999年の開学以来20年間学長を務めた上野氏(70歳)が勇退し,「あしたのジョー」や「あした天気になあれ」などの作品で知られ,2002年に紫綬褒章を受賞した千葉氏が,任期4年間を務める。なんと千葉氏は御年80歳である。千葉氏の意欲には頭が下がるが,長寿社会ここに極まれり。

ロシアのセルゲイ・イワノフ大統領特別代表団が北方領土の色丹島を訪れ,サハリンと択捉,国後,色丹各島を結ぶ光ファイバーの開通式典に出席したとのこと。日本政府は同日,「日本の法的立場と相いれず,受け入れられない」としてロシア外務省に抗議している。記事では,日露が平和条約交渉を進める中,色丹島訪問で日本を牽制する狙いがあるとしている。
歴史的に見ても,北方四島は日本にゆかりの深い土地である。正確に言うと,江戸幕府や明治政府のものではなく,アイヌ人のものである。日本人のものでもロシア人のものでもない。ロシア政府の外交稼ぎに利用されるのはおかしいが,アイヌの生活を無視して日本政府が我が物顔に主張するのもいただけない。

同じように,沖縄・辺野古基地建設が止まらない。県民投票で明確に民意が示されたにも関わらず,日本政府は聞く耳を持とうとしない。日本は独立国家である。一体いつまで米国の占領下に置かれなければならないのか。右翼だろうが,左翼だろうが,その両方だろうが,主権国家たる日本の領土から米軍基地を追い払う国民運動を展開していかなれければならない。米軍基地の撤去を求めながら,北方領土への圧力を日露ともに排する

頭が痛いのでここまで。菅官房長官の東京新聞排撃も話題にしたかったが。

大宮第二公園 梅まつり

本日,ショップの方々と大宮第二公園で開催されている梅まつりまでのライドに出かけた。
いつも通り,埼玉スタジアム,さぎ山記念公園,埼玉新都心,大宮氷川神社を通って大宮公園まで走った。帰りは,岩槻のパン屋に立ち寄った。50キロくらいだったが,初めて通勤用自転車のジェミスのクエストスポーツで走ったため,ポジションが噛み合わず膝に痛みが出た。
それでも,初春の陽光の中を無心に走ることができ,ストレスの解消となった。

『新聞記者』

望月衣塑子『新聞記者』(角川新書 2017)を読む。
東京新聞社会部記者の著者が,新聞記者の仕事や菅官房長官とのやり取りの舞台裏などを語る。
警察や永田町,記者クラブなど「大人の空気」が支配する場において,敢えて空気を読まない選択をする望月さんの強さを感じた。
日本社会のあらゆる職場や団体,会合,学校などで,「あえて流れに棹さすのはねえ」「なあなあに済ませよう」「まあ,いいか」「言っても仕方ないし」といったムードが蔓延している。でも,発言しないということは責任を逃れるということであり,引いては回り回って自分を苦しめることである。
望月さんを見習い,「えっ」「ちょっと待てよ」という自らの疑問は,他人にとやかく言われようと大切にしていきたい。

思い出せば,私も望月さんと同じ頃に東京新聞を受験していたのだ。全く勉強していなかったので,全く手応えのないまま一次の筆記で落ちたが,もしかしたら望月さんと同僚になっていたかもしれないと思うと,勝手に親近感を感じてしまう。フロイトの言う同一視か。

『北京・庶民生活の中で』

折笠俊之『北京・庶民生活の中で:中年留学生の生活探検』(鳥影社 2002)をパラパラと読む。
一個人として北京に留学した経験が事細やかに記される。家の水道トラブルやクーラー設置のゴタゴタなど,あまりに細を穿つ内容ばかりだったので,さらっと読み流した。自費出版ならではの視点は良いのだが,読む進むのは辛い。