速水健朗『1973年に生まれて:団塊ジュニア世代の半世紀』(東京書籍 2023)を読む。
久しぶりに新刊を購入し、一気に読み終えた。約210万人いる団塊ジュニア世代の中でも一番多い1973年生まれにフォーカスして、スポーツ選手や芸能人、IT業界の起業家などを取り上げ、さらに我々世代が経験してきた事件やメディアの進化、サブカルなど、ありとあらゆるモノやコトが紹介されている。PC-98やコードレスホン、おたっくす、通信カラオケの目次本など、デジタル化の波でいつの間にか消えていったエピソードが面白かった。
あとがきの一節が印象に残った。
73年世代の生きてきた時代の中で、多くのものがアナログからデジタルへと転換していった。その移行は、単線なものではなく、複線的に進み、いくつもの失敗の繰り返しでもあった。自分の世代が新しい側に乗れたこともあるし、乗り遅れたものもある。