月別アーカイブ: 2019年8月
『気象のすべて』
ハレックス監修『気象のすべて』(実業之日本社 2011)を読む。
日本周辺の気象について分かりやすく解説している。気象に興味がなくても,気圧差や温暖差,偏西風などから,台風やゲリラ豪雨,桜前線などの気象の仕組み理解できるようになっている。
単なる参考文献をまとめた雑学本ではなく,実際に気象に携わっている専門集団が執筆を担当しているので,体系的な紹介がなされている。
「アフリカ会議 首相が中国牽制」
本日の東京新聞朝刊に,昨日のアフリカ開発会議の席上で,安倍首相が日本企業のアフリカへの進出を促すとともに,アフリカへ過剰投資を行なっている中国を批判したとの記事が掲載されていた。
そもそもアフリカ開発会議(TICAD)とは何ぞや。
外務省のホームページによると次のように紹介されている。
TICADとは,Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり,アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降,日本政府が主導し,国連,国連開発計画(UNDP),アフリカ連合委員会(AUC)及び世界銀行と共同で開催しています。2016年8月27~28日には,ケニア・ナイロビにて第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)が開催されました。同会議は,初めてのアフリカ開催であり,日本からは安倍晋三内閣総理大臣が出席し,ケニヤッタ・ケニア大統領(開催国),デビー・イトゥノ・チャド共和国大統領(AU議長)と共に共同議長を務めました。次回TICAD7は,2019年8月28日~30日に横浜で開催されます。
2019年現在,世界人口77億人のうち,アフリカの人口は13億人と推定されている。つまり,世界の6人の1人がアフリカ大陸に在住している。また,世界の人口は2030年に85憶人(10%増)、2050年には97憶人(26%)、2100年には109憶人(42%)に達すると予測されている。その増加分の8割がエジプトやコンゴ民主共和国,エチオピア,タンザニアなどのアフリカ諸国が占めるとの予測されている。つまり,今世紀末には世界の3人に1人がアフリカ諸国ということになる。
新規投資も良いが,アフリカにはコンゴ盆地の熱帯雨林や石油資源,レアメタルも埋蔵されており,乱開発が進んで過耕作や過放牧による砂漠拡大などの環境負荷の側面も考慮に入れたい。
『告白』
湊かなえ『告白』(双葉社 2008)を読む。
初めて読む本なのに,妙に場面がありありと思い浮かぶなあと思っていたが,このサイトで調べてみたところ,10年ほど前に映画で観た作品であった。但し,映画の内容はおおよそ忘れていたので,初見の作品として楽しめることができた。
『人間万事塞翁が丙午』
第85回直木賞受賞作,青島幸男『人間万事塞翁が丙午』(新潮社 1981)を読む。
著者青島氏の母が営んでいた弁当屋を舞台に,1930年代後半から1949年までの人間模様を描く。直木賞を取っても全く異論の無い作品となっている。空襲や闇市騒動で社会がバタバタしていた中でも,逞しく生きる庶民の生活模様が細かく描かれており,当時の世相を知る意味でも面白かった。