社会運動」カテゴリーアーカイブ

『ガザ 素顔の日常』

会議後は、ガリー・キーン、アンドリュー・マコーネ ル監督作品『ガザ 素顔の日常』(2019)の上映会が 実施された。タイトル通り、イスラエルによる侵攻が始 まる前の、“天井のない監獄”とも評されるガザ地区 に暮らす市民の日常が描かれる。前半は、商店街に は物があふれ、スポーツやおしゃれを楽しむ若者も 多く登場するシーンが続く。しかし、後半に入ると、 銃声が街中に鳴り響き、常に死と隣り合わせの不安 な日常シーンが続く。夢も希望も抱くことができず、 フェンスの中で人生を終えるしかないという諦めが、ガザ地区生まれの子どもたちへと受け継がれていく。 怒りや悲しみは、時に生きる原動力にもなるが、諦 めからは何も生まれない。そんな市民がどうしてフェ ンスの中を逃げ惑うことになるのか。映画の中で直 接は語られないが、観客の心の中に、「どうして」と いう疑問が印象付けられる映画であった。

『原発をとめた裁判長』


組合の総会で、小原浩靖監督・脚本『原発をとめた裁判長:そして原発をとめる農家たち』(2023 Kプロジェクト2022)を観た。
大変興味深い映画だった。前半は2011年の東日本大震災以降、原発再稼働で揺れた裁判において、2014年に関西電力大飯原発の運転停止命令を下した樋口英明・福井地裁元裁判長と、全国の原発差止訴訟の代表を務める河合弘之弁護士の両名がタッグを組んだ裁判闘争の模様が報じられる。また、後半に入ると福島・二本松で資金や許認可、地元の合意などと闘いながら、有機農業とソーラーシェアリングの取り組みを始めた近藤恵さんや大内督さんたちの農業に掛ける思いが綴られる。どちらも極めて笑顔でポジティブにしぶとい闘いに向かっている姿が印象的であった。

「おもやい通信」

「認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい」から送られてくる「おもやい通信」の2023年冬号を読んだ。
その中で、モスフードサービス株式会社が、炊き出しの食料配布活動に参加していることが報じられていた。「人間貢献・社会貢献」「食を通じて人を幸せにすること」というモスフードの経営理念に合致するということであった。出来立ての温かいチーズバーガーを提供しているとのことである。

私の中でモスフードの好感度は爆上がりである。学生時代に新宿牛込界隈の牛乳屋でバイトをしているときも、箪笥町にあったモスフード本社の周りを清掃する従業員の姿を見てきた。そうした過去の記憶もあり、これからモスフードを応援していきたい。

『天皇制と共和制の狭間で』

堀内哲編『天皇制と共和制の狭間で:30代〜90代の日本のエンペラー論』(第三書館 2018)をパラパラと読む。
日本共和主義研究者の堀内氏は担当の「原発と米軍基地がなくなる『共和制日本』へ。」の項の中で、現行の立憲君主制から大統領制への移行を提案している。堀内氏は自由党(当時)や都立大学の木村草太教授の見解を参考に、生前退位は天皇個人の政治行為であり違憲だとする。さらに、皇室典範そのものが天皇の一個人としての人格を否定しているものとし、天皇制自体を維持すべきでないと述べる。そして、国民統合の象徴である現行天皇制を廃し、国民の意志が反映しやすい直接民主制の大統領制度にすべきだと主張する。

法律論的には色々な見解があるのだろうが、一般に王室(皇室)を持っている国は、国家元首(国家大権)としての機能を王室が代替するため、大統領制は馴染まないという。王室を有するイギリス連邦各国やスペイン、オランダ、タイも議院内閣制をとっている。

堀内氏は、米軍基地にノーを突きつけたフィリピンのドゥテルテ大統領を引き合いに、日本も原発や米軍基地問題などにはっきりと国民の意思を示すことのできる大統領制の実現と、それに伴う天皇制の廃絶を提言する。そのためには、「9条改憲に反対しながら『共和制移行』を模索する高度な政治」が必要だと述べる。

議員内閣制は間接民主制であり、民意を反映しにくいという意見には承服しかねるが、堀内氏のストレートな論の進め方には好感が持てる。他にも反天皇制連絡協議会の天野恵一氏や元日本赤軍リーダーの重信房子さんも寄稿されている。これからも息の長い運動であることは相違ない。

「3.27さようなら原発全国集会」

2021年3月27日(土)12:00開場 13:30~集会開始
会 場:日比谷野外音楽堂
内 容:12:00 開場
13:00 オープニング・ライブ片平里菜さん(シンガーソングライター/福島市出身)
13:30 集会
発言者:鎌田慧さん(呼びかけ人・ルポライター)
落合恵子さん(呼びかけ人・作家)
吉原毅さん(原自連会長・城南信用金庫顧問)
地脇美和さん(福島原発事故訴訟支援団事務局長)
大石光伸さん(東海第二原発差止訴訟原告共同代表) ほか
14:45 終了後デモ行進
【日比谷野外音楽堂~東電前~数寄屋橋~鍛冶橋駐車場前(解散)

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