沼田英治『生きものは昼夜をよむ:光周性のふしぎ』(岩波ジュニア新書 2000)をパラパラと読む。
昆虫がどのようにして昼と夜を判別しているのかという実験レポートなのだが、興味が沸かなかった。
月別アーカイブ: 2023年9月
『線量計と奥の細道』
ドリアン助川『線量計と奥の細道』(集英社文庫 2021)を読む。
ちょうど作者が50歳になった年に、ダホンの折りたたみ自転車で、線量計で放射線を検知しながら、奥の細道を辿るという冒険日記となっている。松尾芭蕉も45歳で東北を回る旅に出て、50歳で亡くなっている。そして、自分への誕生日プレゼントだと、ダホンの折りたたみ自転車を購入した、50歳の私がこの本を読んでいるというのは、何か運命的なものを感じてしまう。
秋田県の象潟までたどり着いたところが印象に残った。象潟は芭蕉が訪れた1690年頃は、海に無数の小島が点在し、「東の松島、西の象潟」と呼ばれるほど美しい場所であった。しかし、1804年に起きた象潟地震で、沿岸の土地が1〜2メートルも隆起したため、小島のほとんどが陸地になってしまった。以下、その象潟を訪れた際の一節である。
それにしても、象潟という地よ。
私はひとつのシンボルとしてこの地を捉えたい。
たった三百余年で、風景と環境はこれだけ変わるのだ。象潟の海に島々ができたのも、そこが盛り上がって陸地になってしまったのも、鳥海山の噴火と地震活動のせいだ。すなわちやはり、この列島は生きている。環太平洋の火山地域は常に激しく身震いし、土地の形を変え続けている。三百余年なんて地球史的にはほんの一瞬だ。それほど揺れ動く列島の上で私たちは暮らしている。事実、震度5以上の地震の発生率は日本列島が群を抜いて世界一だ。我が国は、地震の巣なのだ。津波ひとつで大事故を起こしてしまう原子力発電所はやはり「向いていない」と言わざるを得ない。
Rockhopper expert 29
「80歳以上 初の1割」
『歴史を動かしたプレゼン』
林寧彦『歴史を動かしたプレゼン』(新潮新書 2020)をパラっと読む。
コロンブス、豊臣秀吉、大黒屋光太夫、クーベルタン男爵の4人を取り上げ、スペイン国王や清洲会議、ロシア政府、オリンピック復活会議において展開されたであろう歴史的なプレゼンを通して、現代のビジネス現場での商機を導き出すという流れになっている。参考文献をまとめなおしただけの内容で面白くなかった。