あさのあつこ『バッテリーⅠ』(教育画劇,1996)と『バッテリーⅡ』(教育画劇,1998)を読む。
10数年前に『バッテリーⅠ』だけ読んだのだが、改めて『同Ⅰ』『同Ⅱ』と連続して読んだ。
単なるスポーツ成長物語だけでなく、90年代の管理教育や陰湿ないじめ、それらに体を張って反発していく中学生の姿が印象的であった。どうにも止まらなくなってきたので、一気に最終巻まで読んでいきたい。
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戸田公園をぶらぶら
『4TEEN』
石田衣良『4TEEN』(新潮社,2003)を読む。
調べてみたら、15年ほど前に読んだことのある本であった。
読んだことあるような気がしていたが、内容を全く忘れていた。
今思えば、2000年前後の中高生ブームに乗っかったような話であった。
『地球・環境・惑星系』
土井恒成訳・パリティ編集位委員会編『地球・環境・惑星系』(丸善,1991)を読む。
タイトルの順番通り、地球科学、環境、天文学の3構成となっている。天文学の方は読み飛ばしたが、前半の地球科学は参考になるところが多々あった。引用しておきたい。
プレートテクトニクスにおいて重要な点は、地球の表面が一種の均衡状態で成り立っているということである。プレートは海嶺で形成されるが、ここではアセノスフェア(ギリシャ語で力強さを欠いた)から湧き上がる熱と物質によって新しい地殻がつくられる。これに対して「プレートのもぐり込み」−すなわちリソスフェア(ギリシャ語で石)が消滅してをアセノスフェアに戻る過程−が起こることによって差し引きつりあいが取れているのである。要するに、新しいプレートは上向きの対流によって生み出され、古いプレートは下向きの対流によって「ルツボ」に戻されるのである。
地磁気の軸は、現在自転軸からおよそ11℃傾いている。したがって、地磁気の北極、南極、赤道などは地理的なものと異なっている。歴史的な記録から、地磁気の強さは過去160年の間に7%も減少したことがわかっている。もしこの割合でずっと減少し続けると、これから2000年くらいのうちに地磁気は消滅することになる。
地磁気をイメージする際、地球は大きな磁石という絵が浮かんできてしまうが、物質は高温になると磁気を失ってしまうので、地球の中心核(コア)はどんな物質も磁気を保持することはできない。
地球の内部に巨大な磁石が無いというのなら、地磁気の原因はいったい何なのだろうか。科学者の考えによると、地球が巨大な発電機(ダイナモ)として働いて力学的なエネルギーを電気的なエネルギーに変換し、その結果地球の奥深くを流れる電流によって磁気が生み出されている。
高山気候の説明の際に使いたい。
地球が気持ちの良い暖かさを保っているのは、大気という毛布にくるまっているからである。「気持ちの良い暖かさ」とは平均気温が、水が液体状態である温度0℃から100℃の間にあることを指している。(中略)大気のない月面では、日の当たる昼の面では温度が100℃にも達し、夜には零下150℃に下がる。これをならすと月面の平均気温はおよそ零下18℃になる。
大気大循環の仕組みとして次のように説明する。
太陽は極地方よりも赤道付近を暖めるので、赤道部の空気は上昇し、南北の極に向かって流れ、極で下降するが、結局は低い高度を流れて赤道に逆戻りする。地球は速い速度で自転しているので、このような気流の循環はねじ曲げられ、緯度によって異なるが東風や西風を生ずる。
「円の国際価値 過去最低に」
本日の東京新聞朝刊に、通貨の国際的な価値を示す「実質実行為替レート」で、円の価値が過去最低を記録したとの記事が掲載されていた。通貨政策は政治経済の分野なので、地理的に言うと、日本で働いても価値の低い円でしか給料がもらえず、国際的な基準に照らすと安い賃金で働かせられることになってしまう。2023年の一人当たりの名目GDP(ドルベースだと、日本人が働いて稼ぐ給料は世界第34位である。プエルトリコやキプロス、バハマよりも下である。つまり、日本で働くよりもプエルトリコやキプロスで働いた方が、ドルベースの給料は高いのである。少子高齢化で活力を失っている日本市場に進出する企業は少なく、若者は日本を離れ、いよいよ日本の崩壊が始まっていることを予期させる記事である。