内田康夫『琵琶湖周航殺人歌』(講談社文庫 1992)を読む。
昔読んだ気がしてならなかった。学生時代に読んだのだろうか。
1989年に「小説現代」に連載された作品で、滋賀県出身の初の首相で、野洲郡守山町出身の宇野宗佑が話題に出てくる。
犯人が一番最後の章で登場するので、ミステリーとしては意外性もへったくれもない。但し、主人公と一緒に琵琶湖を周航しているうちに、琵琶湖の南岸の丹下健三が設計を手がけたびわ湖大津プリンスホテルや琵琶湖幽霊ホテル、雄琴温泉の毳毳しいネオンなど、琵琶湖ほとりの観光に詳しくなった。
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『中国が愛する国、ニッポン』
八牧浩行『中国が愛する国、ニッポン』(竹書房 2014)を読む。
中国のブログや掲示板に掲載された、日本に観光した際の日本人のサービスやマナーを褒め称える中国人の若者のエピソードとコメントがまとめられている。日本の素晴らしいところを挙げながら、中国人が自身の中国の醜いところをあげつらい、読んでいる日本人が溜飲を下げるという下品な内容となっている。編集者は「日本最大の中国情報サイト」のRecord China代表取締役・主筆を務めるそうだが、ネット上の個人の意見を集めて何かしらの見解を得ようという安易な手法自体に問題がある。
『求めてこそ、人生』
三宅邦夫『求めてこそ、人生』(幻冬舎メディアコンサルティング 2016)を読む。
分譲型太陽光発電所の販売を手がけるスマートグリッドホーム株式会社で代表取締役を務める著者が、経営者としての経歴とビジネスの課題について語る。
幻冬舎が発行しているので手にとってみたが、よく見ると幻冬舎メディアコンサルティングという自費出版による「企業出版」に特化した幻冬舎のグループ会社が発行している本であった。
『大人の解体新書』
石原壮一郎『大人の解体新書』(河出書房新社 2008)を読む。
人間の体のパーツを取り上げて、軽妙な「大人」のコラムに仕立て上げている。似たようなテンポの内容が延々と続き、あまり面白くなかった。
気になった箇所を引用しておきたい。
「ヘソクリ」という語や「へそ曲がり」「へそを曲げる」という慣用句の「ヘソ」は、お腹のヘソではなく、元々は「綜麻」と書き、織機にかける麻糸や紡いだ麻糸を糸巻きに巻いたものを指す言葉である。「ヘソクリ」は麻糸を紡いで内職をして少しずつ貯めたお金という意味である。また、「へそ曲がり」は綜麻が真っ直ぐ巻けずに曲がってしまうという意味である。
広い海洋を泳ぐマグロやカツオは持続的な筋肉(赤身)が発達し、近海にいるタイやヒラメは瞬発力のある筋肉(白身)が発達している。
榎本牧場までのライド