月別アーカイブ: 1999年10月

空き巣被害

本日家に帰ったら、ベランダに出る窓が壊されていた。そして銀行の通帳とかを保管してあるボックスの中身がすべて床にぶちまけられていた。すぐに警察を呼んだ。警官はドラマであるようにあちこち砂のようなものをかけては刷毛で指紋を探していた。勿論私も指紋を採られた。あまり気持ちのいいものではない。幸い何も取られなかった。というより取るものがなかったというべきか。こういうとき貧乏人は助かる。ただ学生ローンの借用書もしっかり残っていた。

小渕内閣

最近になって、新しい小渕内閣の文部大臣に中曽根弘文氏が決まっていたことを知った。恥ずかしいかぎりだが。

小渕政権が今後も長引くならば、教育政策はどのように方向性が提示されるのであろうか。これまでの文部省中心の中教審政策と臨教審政策はどのような形で日の目をみるのだろうか。現在の教育行政の歪みについて、尾崎ムゲン氏は新保守主義型の臨教審政策が、80年代後半から90年代にかけて文部官僚中心の保守主義的な中教審政策に移っていく過程で、その理念的な接合がうまくいかなかったことを指摘している。

たしかに最近は80年代の土光臨調を基調としたの新自由主義的な教育政策-国際化・多様化・情報化・民営化-と保守的な文部行政-国旗国歌法案・家族主義・父性的モラルの喧伝-の食い違いが見られる。批判をしようにも自自公政権・文部省が何を目指しているのか不明な以上難しい。

そうした権力側の政策のベクトルの違いも何となくひとつのものとしてまとめてしまうのが、小渕「真空」内閣の特筆すべきポイントなのであろう。

君が代

最近東京新聞で読んだのだが、天皇家は君が代を歌わないらしい。君が代斉唱の際にも国民に起立を求め、歌わせる一方で、君が代は国民が天皇を讚える歌だから、天皇は口を開かず国民が歌うのを聴くだけらしい。まったくふざけた話だ。国歌ではなく、まさに君が代のもつイデオロギー性をまざまざと見せつけられたかたちだ。おそろしい。
また今日は熱が9度1分出た。身体が熱くて仕方ない。

友人に宛てたメール

久々の連休は家で静養しています。風邪薬を飲んでずっと寝ていました。
しかし中間テストが控えていて試験問題が全く出来ていないので、内心焦っています。

「学級崩壊」に関心があるんですね。
先日、尾崎ムゲンという関西大学の教員の『日本の教育改革』という本を買ってきました。
学生時代に講演会に読んだ人です。中公新書で八月に出たばっかりの本です。
ぱらぱら眺めてみただけですが、「学級崩壊」という現象について予見をしたような内容です。
ざっと結論だけいうならば、これまでの近代公教育は工業化社会の底辺を担うための合理的な労働力養成と、子供個人の外に価値を認め、個人を「解放」していくという「産業化」「個人主義化」の折衷であったのが、八〇年代後半から現在にかけて教育は「脱産業化」と子供個人に価値を認め「自己実現」を支えるシステムに改変されていく。
今はその再編途中にあり、目標を強制しない教育の方は実現したが、子供個人に価値を認める教育は実現していない。ゆえに構造的に学校崩壊が起こりうるという内容です。

しかし現実の高校生は僕から言わせるとただ甘えているだけです。
体罰がほぼ完全に禁止され、学校でも家庭でも叱られることなくぬくぬくと育っている幼稚園の生徒と一緒です。
と、訳の分からない愚痴になってしまいましたが、毎日ストレスを抱えているので、最近私も思考回路がおかしくなっています。まともにものを考えられなくなっています。

友人に宛てたメール

早稲田大学はどのような状況でしょうか。
早稲田祭は今年も中止のようですね。早稲田を離れると大学内の状況は全く伝わってきません。
やはり大事なことはメールにもありましたが、来年以降の自分の抱えている疑問と現在の早稲田大学の学生としての主体とをつき合わせながら発言していくことだと思います。
私は結局去年うまくいきませんでしたが、残り半年というのは短いようで結構長いものです。
これからの半年が大切だと思います。
半年の間に自分の気持ちの中で整理しておくべきこと、そしてそれを何らかの形で具現化させておくべきことたくさんあります。
3月31日までは学生です。
周りの仲間と相談してプラスアルファを自分のものにしてください。

私の方は、高校教員になってみて半年が経ちましたが、最近実感するのは、教育についていろいろ考えても、結局教員は生徒の日常のことに振り回されてしまいます。
しかし日常生活の中での生徒との接点でしか教育はなしえないし、そこから逃げては駄目だということです。
教育について概観し、批判することが生徒との交流から逃げることになるのではと、前からすれば思いっきり日和った考えをもつようになりました。
大学時代、奥島の授業に拡声器を片手に突っ込んでいった私ですが、歳のせいでしょうか、考えも変わりました。
放課後に生徒と駐車場でワンバウンドサッカーをやっているときが一番充実していると感じるようになりました。
先日も授業中保健室に行った生徒が手にジャージを丸めて走って帰ってくるので、どうしたと訊いたところ、校舎に迷いこんで出られなくなって弱っていたスズメを持ってきました。
「せんせーい、どうしよう、どうしよう」と困っているので、結局スズメさんには授業終わるまで教卓の上で休んでもらいました。
その後生徒とスズメのことについて真剣に話し合っている自分にふと気づいてしまいました。