月別アーカイブ: 2021年5月

「デジタル教科書『紙と併用』」

本日の東京新聞夕刊に、2024年を目処に、デジタル教科書が本格導入される方向との記事が掲載されていた。小中学校では一人一台のタブレット端末を配備する国家プロジェクトが進行中であり、実現の可能性は高い。一方で高校はBYOD(Bring Your Own Device)を基調としており、生徒個人の所有するスマホを活用する方向で話が進んでいる。5〜6インチのスマホの画面で教科書を代用させるというのは、現段階ではあまり現実的な話ではない。私のiphone se(第1世代)の4インチでは、学習以前に目を悪くすること必至であろう。

私自身もデジタル配信を活用しているが、PDFや動画配信で済ませられるデジタルコンテンツと、極めてアナログな地声と表情、動作で説明する授業と聞く姿勢の涵養、そして、発表やグループ活動を通じた対話型学習で得られる体験や達成感とをしっかりと見極めて両立させていきたい。

「『闇たばこ』密輸横行」

本日の東京新聞夕刊より。
ちょうど、昨日この授業ブログで、ベラルーシのルカシェンコ大統領の横暴を支えるロシアのプーチン大統領に触れたばかりだったので、目に留まった記事である。要はプーチン大統領とルカシェンコ大統領の関係はズブズブであり、ちょうど中国と北朝鮮、米国とイスラエルのように、世界戦略を巡らす大国と刀疵を受けながら大国の前線に立つ小国の関係と似ている。中世の日本で言うところの、将軍と武士の間の「御恩と奉公」の関係といった方が通りはよいだろうか。日本の歴史に照らすと、やがて武士が将軍を倒す下克上の世になっていくのだが、果たしてルカシェンコがプーチンを「倒幕」する時がやってくるのだろうか。

「米、ベラルーシ制裁へ」「ロシア大統領がベラルーシ支持」

本日の東京新聞朝刊に、対照的な2つの記事が並んでいた。事件の発端は、親ロシアのベラルーシのルカシェンコ政権が、領空を通過中のアイルランドの国際旅客機を強制着陸させ、反政権派記者を拘束したことによる。ベラルーシ国内に欧州向けの原油や天然ガスのパイプラインを設置しているロシアは、いち早くルカシェンコ政権支持を表明している。一方で、欧米は一斉に、ベラルーシの民主化運動とも連携し、「ヨーロッパ最後の独裁者」とも称されるルカシェンコ政権に対する批判を展開している。

ベラルーシ情勢は、昨年の授業でも何度か取り上げたことがある。今年度の授業でも、ルカシェンコ大統領のみならず、プーチン露大統領や習近平中国国家主席、金正恩朝鮮労働党総書記といった面々には何度か授業の俎上に上っていただこう。。

「仏 ルワンダ虐殺に『責任』」「独 ナミビア虐殺認める」

本日の東京新聞朝刊に、アフリカのルワンダとナミビアに関する記事が掲載されていた。
まずルワンダであるが、パッと場所が思い浮かぶ高校生は少ないであろう。アフリカ大地溝帯に位置するため、通常は地中深くに眠るレアメタルが産出される。特にスマホのコンデンサにも使われるタンタルの産出は世界第1位である。また、ナミビアは大陸西側に位置するため、沿岸をベンゲラ海流という寒流が流れており、降水量が極めて少ない。世界遺産にも認定されているナミブ砂漠が広がっている。ちなみに、ナミブ砂漠というと、1000年から2000年も生きると言われているウェルウィッチアを覚えておきたい。

記事によると、ドイツ政府は旧植民地であったナミビアで先住民族を虐殺したことを認め、1,400億円の投資を約束したとのこと。色々な見方があるのだろうが、私は第二次世界大戦後の東南アジア諸国に対する日本政府のやり方に似ているような気がして、あまり感じの良いものとは思わなかった。サンフランシスコ平和条約締結後、日本はフィリピンやベトナムなどの一部の国を除いて賠償金を支払っていない。その代わりに日本企業の工場を作ったり、日本製品を提供するなどの「経済協力」を行なってきた。そうした戦後賠償を元手に高度経済成長を突っ走ってきた歴史がある。

ドイツのやり方もこれから人口爆発を迎え、世界市場に躍り出てくるアフリカに再び参入しようとする時代錯誤な帝国主義的な臭いを感じてしまう。穿った見方なのかもしれないが、アメリカやロシア、中国など顔ぶれこそ異なるが、アフリカ分割が繰り返されているように思えてならない。