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社会科教育法Ⅱ 第2課題

夏バテで、めっちゃくちゃな内容となってしまった。あまりに恥ずかしいので読み返しもしていない。書いてる本人が何を言いたいのか分かっていないので、こんな文章を読まされる先生は大変である。。。すみません。
これでレポート24本のうち、12本が終わった。きちんと調べて推敲したのはその内2本だけという有様。後半戦は巻き返しを図りたい。

1 歴史学習の基本構想
 歴史を学ぶ本義は,論語の「故きを温ね,新しきを知る」ことである。私たちの先輩である人類が成し遂げた進歩や過ちの経験を将来に生かし,これからの国際社会において,平和で民主的な国家・社会を形成していく若者を一人でも多く育てることにある。そのために,項目の暗記に終始してきた「受験歴史」の反省を踏まえ,我が国の歴史の大きな流れを理解し,「なぜあのような悲劇を招いてしまったのか」「なぜ現在はこのような複雑な国境となっているのか」といった歴史を考察する力を身につけさせたい。また,国際社会に日本の立場や主張をきちんと説明する表現力や説得力も育てていきたい。
 さらには,現代を生きる私たちが,古代から現代に至るまで人類が営々と築き上げてきた国家・社会の形成過程の通過点に過ぎない時間に存在しているという謙虚な姿勢を忘れてはならない。得てして,歴史の学習は,歴史の完成形である現在から未完成な過去を遡るといった高見の見物になりがちである。1942年に刊行された雑誌『文學界』に掲載された「近代の超克」論において,歴史の頂点を越えた国家のありようが結局は戦争礼賛であったという事実を踏まえなくてはならない。歴史学習を通して,これからも発展と同時に必ず誤りも犯し続ける人類に対する,溢れんばかりの期待と反省を学ばなくてはならない。
2 日本史の学習
 近年,尖閣諸島や竹島をめぐって,新聞やテレビの報道で,中国側や韓国側の露骨な軍事作戦を諫める論調が目立つようになった。しかし,私たち日本人の何割が竹島や尖閣諸島といった領土について学んできたであろうか。今般の領土問題は,連合国側がサンフランシスコ平和条約締結の際に円満に解決してくれたので日本側からほじくり返す必要はない,といったこれまでの社会科教育の陥穽を突かれたと言っても過言ではない。
 小・中学校の学習指導要領でも「我が国の国土と歴史の理解と愛情」が謳われており,日本の国土と歴史に対する知識と意識の両面の涵養を図りたい。また,中学校の学習指導要領では,「沖縄返還などの節目となる歴史的事象を取り扱う」との指摘がある。現在でも,沖縄が米軍の「占領」状態に固定化されているという事実も,国土認識に合わせて,丁寧に歴史的背景を辿りつつ,憲法の学習などの公民分野と関連させて学ばせたい。
3 歴史学習における「時代」の扱い
 効率的な暗記テクニックの一つに,事柄のイメージ化やグループ化といったものがある。歴史であれば「室町時代は戦乱の時代」と一括りにし,文化や経済も室町時代という一つのカテゴリーでばっさりと関連づけて,芋づる式に覚えやすくするものである。授業の工夫を試みる教員に対して,こうしたチャート式の指導を頭から批判することは難しい。しかし,歴史学習の本義に則り,民衆や地方といった複数の視点や,時代の移行,政治と文化のズレといった,単純な「時代」区分から漏れていく歴史にまで踏み込んでいきたい。
4 外国史・世界史の学習
 近年,国際スポーツ大会での差別発言や,在日外国人排斥を声高に主張するヘイトスピーチなど,アジア地域を見下す雰囲気が強くなっている。古来から日本は島国で孤高を保ってきたのに,グローバル化の中で,日本の文化や習慣が損なわれているといった勘違いも甚だしい論調も目立つ。しかし,日本はアジアの国々から稲作や仏教,漢字など多くのことを吸収してきたお陰で発展してきた。また,第二次大戦では多くの韓国・朝鮮人が日本に強制的に連行され,日本での生活を戦後も余儀なくされてきた。こうした日本を取り巻く歴史をきちんと学ぶことが,国際協調や国際平和の第一歩である。
5 文化史の学習
 文化史というと,その時代の雰囲気を象徴する芸術作品や文学作品の名前と著作者名をただ丸暗記するだけといった苦い印象が強い。しかし,江戸期の『南総里見八犬伝』が,アイドル映画に改変されて若者に伝わっているように,生きた作品として扱うことで,逆に生徒の興味関心を高めるきっかけとしたい。
6 授業の計画と展開
 歴史への入り口は教員が考える以上に広い。ゲームや漫画のキャラクターから興味を持ったり,ドラマやアニメで取り上げられた人物の生き様への共感から,城跡や旧家を辿ったりする生徒も多い。
 特に歴史分野は,生徒の関心と実際のテストの点数の相関性が他の教科よりも高い傾向にある。これは数学などの科目と異なり,教科書以外で触れる機会が多いためであると考えられる。そうした生徒の歴史への関心を削ぐことなく,日本の歴史の大きな「流れ」に導き,その時代時代に生きた人間への共感や批判を通して,人間そのものを学ばせたい。

『海士人』

COMMUNITY TRAVEL GUIDE編集委員会『海士人:隠岐の島・海士町 人々に出会う旅』(英治出版 2012)を読む。
海士町は隠岐島4島のうち3番目にあたる大きさの島で、後鳥羽院が遠流された島としても知られる。限界集落に近い、人口二千人あまりの小さな町である。その海士町の観光ガイドのような本で、島内の観光スポットや宿泊施設、食事処、市場などが漏れなく紹介されている。
火山島で独自の生態系が広がっているジオパークとして知られる隠岐の島に興味があり手にとってみた。
残念ながら期待した地質学的な記述はほとんどなかったが、海士町で暮らす人々の日常の暮らしぶりや生き甲斐が良く伝わってくる内容であった。
この本を片手に、海士町の人々を訪ねてみたくなる本である。

隠岐の島が島前と島後に分かれていることは知っていたが、島前の3島めいめいが行政区分の異なる島であるということは初めて知った。
ネットで調べた所、島前3島においても合併協議の連絡会議が立ち上がったようであるが、「合併してもメリットはない」との理由ですぐに解散したようだ。観光資源や水産資源で町財政が潤っているのであろうか。また、国境問題で揺れる竹島は島後の隠岐の島町に所属するが、「祖国防衛」のための国の補助金などがこっそりと降りているのであろうか。

以下、隠岐郡海士町オフィシャルサイトより

海士町、『ないものはない』宣言!
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『ないものはない』という言葉は、
(1)無くてもよい  (2)大事なことはすべてここにある という2重の意味をもちます。
離島である海士町は都会のように便利ではないし、モノも豊富ではありません。しかしその一方で、自然や郷土の恵みは潤沢。暮らすために必要なものは充分あり、今あるものの良さを上手に活かしています。『ないものはない』は、このような海士町を象徴する言葉、島らしい生き方や魅力、個性を堂々と表現する言葉として選ばれました。地域の人どうしの繋がりを大切に、無駄なものを求めず、シンプルでも満ち足りた暮らしを営むことが真の幸せではないか? 何が本当の豊かさなのだろうか? 東日本大震災後、日本人の価値観が大きく変わりつつある今、素直に『ないものはない』と言えてしまう幸せが、海士町にはあります。
このロゴマークは、役場の若手職員チームが半年以上、14回の白熱した会議で検討し、ポスターは役場地産地商課が制作しました。デザインを担当したのは、海士名物「島じゃ常識・さざえカレー」のパッケージも制作した著名デザイナー、梅原真氏です。
今後このポスターは、島内外で広く使っていく予定です。 どうぞよろしくお願いいたします。

『生きるコント』

大宮エリー『生きるコント』(文藝春秋 2008)を読む。
2006年から2007年にかけて「週刊文春」に連載されたコラムがまとめられている。
著者の大宮エリーさんは、東大薬学部卒業後、電通に入社し、フリーになってから映画監督・脚本家・放送作家を務めるという異色の経歴の持ち主である。テレビでトーク番組で見かけて、良い意味で男っぽい視点と物言いが印象的であったので手に取ってみた。
日常生活でふと感じる人生訓めいたエピソードを紹介する『生きるヒント』を捩ったタイトルから想像されるように、日々の生活の中での余計な気遣いや勘違いから生じる笑いが紹介されている。全て彼女自身の体験談であり、芸人も真っ青の「おいしい」エピソードばかりで、一気に読んでしまった。

『キューバ紀行』

ウィルソン・夏子『キューバ紀行:南の島の「社会主義観光国」を歩く』(彩流社 2006)を読む。
著者は、刊行当時、カナダ在住30年を数え、室内楽ピアノ奏者と日本語講師を経て、中米の国に関心を持つフリーライターである。1995年から2005年の10年間にわたって続けられたキューバ観光の様子がまとめられている。前半は海で溺れた経験や、何が言いたいのか分からないヘミングウェイへの思いなど、どうでもいいエピソードが続く。しかし、後半は、戦前キューバに移住し、過酷なサトウキビ農場で働き収容所に入れられた日本人や、キューバ革命に参戦した日系人など、あまり耳にしたことがない話があり興味深かった。
総じて、経済封鎖が続く社会主義国で生きるキューバ国民の逞しくも明るい人柄はよく伝わってきた。ゲバラのTシャツを売り物にし、奴隷監視塔を観光資源にするそのバイタリティには、チェ・ゲバラとフィデル・カストロの二人の偉人に先導されバティスタ政権を追い出し自分たちの国を作ったという自負が感じられた。

『北欧 デザインと美食に出会う旅』

鈴木緑『北欧 デザインと美食に出会う旅』(東京書籍 2001)を読む。
地図や資料集を片手に、北欧の地理の勉強と思って読んだ。
学生時代にスウェーデンの家具ショップIKEAで働いて以来、北欧家具の輸入の仕事に携わっている著者が、デンマークとスウェーデンのガラス工房やデザイン家具、アンティークショップを駆け回る。デンマークもスウェーデンも、家族との居住空間を彩りある生活にしようとする小物や食事にこだわる 祖父母から貰った家具 
日本の首都圏 古い町並みを壊して、似たような真新しいマンションやビルで
両国とも福祉国家として世界に名高いが、単に福祉予算を増額すれば福祉国家になるのではなく、身の丈の生活を深いもの