月別アーカイブ: 2020年8月

「ルカシェンコ大統領、EUへ報復示唆」

本日の東京新朝刊に、ベラルーシ情勢の記事が掲載されていた。
いよいよロシアプーチン大統領&ベラルーシルカシェンコ大統領と、EU&ベラルーシ野党勢力との対立構造が鮮明化してきた。ルカシェンコ大統領は、欧州とロシアを結ぶ原油・天然ガスのパイプラインや石炭の輸送ルートを遮断するとの脅しをかけている。実際、EUはロシアからの資源がないと生活や産業が成り立たない。

先週の授業の中で、プーチン大統領による武力介入の危惧を伝えたが、現在のところ、フランスのマクロン大統領を中心とするEU側の牽制が功を奏しているようだ。事はベラルーシ一国の問題ではなく、その背景にあるロシアの資源外交の是非、ウクライナ問題の評価が問われている。

「中国、ミサイル発射か」

本日の東京新聞夕刊より。
中国が軍事力を背景に強引に開発を進める南シナ海情勢に関する記事である。南シナ海には豊富な石油・天然ガス資源があり、石油埋蔵量が約230~300億トン、天然ガスは16兆立方メートルで、第2のペルシア湾とも言われている。
授業中に地図を書いてもらったが、南シナ海は中国だけでなく、周辺の台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの6カ国が領有を主張している。

1学期の授業でも触れたが、中国は南シナ海をインド洋へと繋がる「一帯一路」経済圏構想の重要な航路と位置付けており、東シナ海や南シナ海における覇権の確立を急いでいる。記事中のミサイル発射もどこかの国を狙う意図はなく、中国自身の威厳を誇示するためのものであろう。

米軍やオーストラリア軍なども南シナ海に注視しているが、東南アジア域内での解決を目指す方向で議論を進めたい。

 

「スコットランド 独立熱再び」

こちらも本日の授業で紹介したスコットランド独立の動きに関する報道です。
イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言います。グレートブリテン島にあるイングランド、ウェールズ、スコットランドと、アイルランド島の北アイルランドの4つの連合体です。

イギリスがEUを離脱する中で、再びスコットランドがUKから独立する動きを見せています。中国の故事に「鶏口牛後」という言葉があります。大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって責任を全うする立場にいるほうがよいという意味です。私も違和感を抱えてスコットランドがイングランドに振り回されるよりは、思いきって独立して、スコットランドの矜持を見せるべきだと思います。但し、スコットランドに独立して国民を養うだけの農業生産や産業技術、資源があるのかというと、疑問符が付き纏います。

わたしは「判官贔屓(ほうがんびいき)」なので、米国や中国、オーストラリアといった国土や資源に恵まれた国よりも、小さくて確たる産業も資源もなく独立した国を応援したいという気持ちがあります。東ティモールや南スーダン、香港、台湾、アフリカ・中南米諸国にどうしても肩入れしてしまいます。

中国・春秋時代の伝説の思想家に老子という人物がいます。彼は理想的な国家のあり方として「小国寡民(国土が小さくて、人口が少ないこと)」を唱えました。現在の生き馬の目を抜くような国際政治においても、十分に価値を持つ考え方だと思います。

閑話休題。スコットランドの独立については、今後もフォローしていきたいと思います。

「ベラルーシ 反政権派幹部拘束」

昨日、本日とipadOSのアップデートに伴う不具合で、プロジェクターと繋がらなくなり、授業が遅滞し済みませんでした。色々とググってみたのですが、どうやら次のアップデートを待つしかないようです。しばらく個人用のiphoneで代用するしかないですね。

本日の授業で紹介したベラルーシに関する記事です。記事の画像をクリックすれば、読める大きさになります。授業でもお話しましたが、ベラルーシに隣接するバルト三国やポーランドは、英米を中心とする軍事同盟)北大西洋条約機構)に加盟しています。また、ベラルーシの南側にあるウクライナも近年脱ロシアに舵を切っています。

ロシアは旧ソ連崩壊後も、地政学的に西欧との緩衝地帯となるベラルーシを影に日向に支援してきました。しかし、そうしたロシアの資源外交を支えるベラルーシ独裁政権温存政策も通用しなくなってきました。おそらくはウクライナとロシアを巡る確執が背景にあるのでしょう。授業の中でロシアのプーチン 大統領が乗り出すと予想をぶちかましましたが、果たして今後の情況はいかに?