月別アーカイブ: 2006年2月

第一子誕生

今週20日の午後7時に無事第一子が誕生致しました。3488グラムのビッグな女の子でした。生まれて10分後には目がぱっちりとして、指しゃぶりをしようと盛んに手を動かしていました。次の日から早速ミルクをがぶがぶと飲んでいます。ミルクを飲んでは寝て、起きては泣き叫ぶ規則正しい生活パターンが出来てきたようです。
母子ともども健康で、このまますくすくと元気に育っていってほしいと願うばかりです。

病院の廊下に妊婦の感想ノートが置いてあったので、手に取って読んでみた。子どもが誕生した感動の言葉でほぼ埋め尽くされている中で、未熟児で二分脊椎症を抱えて生まれ、すぐに岩槻の小児医療センターに搬送された子どもの母親の記述が載っていた。詳しいことには全く触れていないが、その心中を察するにいかばかりのものがあっただろうか。
我が子の健康と笑顔に感謝する心と、全ての子どもが等しく大切に育てられる社会を作らんとする心は同じものである。そのような至極当たり前のことを改めて実感した。

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『八月のマルクス』

昨日今日と、期限が刻々と近づきつつある大学のレポート作成に時間を割いた。生活習慣病とインスタントシニア体験についてまとめた。中年の肥満の恐ろしさを改めて知った。ダイエットせねば。。。

第45回江戸川乱歩賞である新野剛志『八月のマルクス』(講談社 1999)を読む。
著者は「ホームレス」生活を送りながら同賞を目指したという異色の経歴を持つ作家である。本作では元お笑い芸人のハードボイルドというこれまた異色な主人公の活躍を描く。解散して数年を経て突然失踪した元相方を追い求め続けていく中で、友人の隠された姿や過去の鬱屈した自己に行き合うといった工夫が随所に光るが、処女作ということもあってか、粗削りな展開は否めない。

「Camino」

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マックのブラウザソフトを「FireFox」から「Camino」に乗り換えてみた。シンプルなブラウザで、月並みな表現だが「サクサク」動く軽快感が心地よい。まだ文字化けの問題など残っており、次期アップデートでの改善に期待したい。

『「次」はこうなる』

堺屋太一『「次」はこうなる』(講談社 1997)を読む。
1998年から2000年にかけて小渕・森内閣において経済企画庁長官になる直前の、一番片意地を張った態度を取っていた頃の本であり、果たして著者の予想通りに日本経済が推移したのか、検証を加えながら読み進めた。
私の勝手な分析によると、著者の物の考え方には、「明治維新の頃の役人は進取の気性に富みとにかく偉い」、「著者が通産省に在職した1970年代までの役人は向上意識が高く偉かった」、そして、「1980年代以降の役人は非効率な拡大再生産を繰り返すだけの無能な存在である」「イギリスやアメリカの役人は、変化に機敏に対応することができる」「民間は常に経営努力を怠らず、近年の役人よりも優秀である」といった固定観念が強く蔓延っている。そのため、あらゆる事象を上記の公式に当てはめれば自ずと政策判断ができるかのように、いんちきな予備校講師紛いの言説が延々と繰り広げられる。真面目に読んでいると嫌気がさしてくる。
中には、少子化の進行によって、微細な差異にこだわるマニアが生み出される一方で、極めて同質をモットーとする社会構造が生み出されるだろうなど的を射た分析もある。
徹底した公務員改革を打ち上げるが、一方で、税金の無駄な使用が極めて多い自衛隊や宮内庁には批判の矛先は向けていない。これまた彼のスタイルであろう。

自由競争、自由経済は、機会の平等を重視する。機会が平等なら結果は不平等にならざるを得ない。それを心理的に克服してすべての人間の社会的安全を維持する。いわば「ホームレスのいない自由社会」こそが、これからのあり得べき世の中であろう。(中略)いまはじまろうとしているメガ・コンペティションの時代に、日本が世界の仲間入りをするためには、競争社会において成功した人を讚える美風が必要になる。

最近、小泉内閣がこれまでの総中流社会すらも「ぶっ壊し」て、格差社会を作り出したとの批判があるが、堺屋氏の上記の見解を読むにつけ、現在の「勝ち組・負け組」社会は、まさに橋本・小淵・森内閣から続く金融ビッグバン政策の結果であることが分かる。いやそもそも、自民党の党是は自由市場主義にあり、ここ数年指摘されている社会階層の格差を計るジニ係数の増加も自民党政権の目指すべき到達点なのである。全てを小泉純一郎個人のパーソナリティに帰してしまう安易なマスコミ的考え方は避けるべきである。

『速読の科学』

佐々木豊文『速読の科学:脳の「読書回路」を解明する』(光文社カッパブックス 1995)を読む。
文字を心の中で音声化するクセを取り除き、視覚からダイレクトに右脳でイメージ化させることで、1分間に1万字以上読むことができる「速読脳」が開発されると断言する。いかにももっともな「科学的根拠」を示した上で、さわりだけを紹介し、実質的な訓練は巻末の指導教室へお問い合わせ下さいといったように、この手の本にありがちな教室の宣伝本の域を出るものではない。
しかし、速読の目的は「読書の愉しみ」にあり、自己の内的世界をイメージ豊かにするものだという著者の意見には賛成だ。

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