第140回芥川賞受賞作、津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社 2009)を読む。
表題作の他、「群像」に掲載された『十二月の窓辺』という作品も収められている。
どちらも社会や周囲との人間関係と同調できない自分を描いているのだが、「当たり前じゃないか」というツッコミを入れたくなるような内容であった。
女性的な感覚に溢れる作品と言えば恰好がつくのであろうか。
『ポトスライムの舟』
コメントを残す
第140回芥川賞受賞作、津村記久子『ポトスライムの舟』(講談社 2009)を読む。
表題作の他、「群像」に掲載された『十二月の窓辺』という作品も収められている。
どちらも社会や周囲との人間関係と同調できない自分を描いているのだが、「当たり前じゃないか」というツッコミを入れたくなるような内容であった。
女性的な感覚に溢れる作品と言えば恰好がつくのであろうか。
第100回芥川賞受賞作、南木佳士『ダイヤモンド・ダスト』(文藝春秋 1989)を読む。
表題作の他、「文學界」などに掲載された、『冬への順応』『長い影』『ワカサギを釣る』の3編も収められている。
どの作品も信州佐久平に住む医師もしくは看護師という設定で、海外での勤務を経て信州に居を構えるのだが、心の奥はいつまでも定住することができず、過去へ過去へと彷徨ってしまうという内容である。実際の作者の経歴に酷似しており、小説というよりも、自伝的小説やエッセーとといったような趣である。
医者も悩む人間だというメッセージを発しているのだが、一方で医者は凡人とは異なる特別な存在であるといったメッセージも感じてしまう。