坂本武人『幸徳秋水:明治社会主義のシンボル』(清水書院 1972)を少しだけ読む。
幸徳秋水は、1901年に日本最初の社会主義政党である「社会民主党」の創設メンバーに名を連ねている。やがて日本の社会主義運動が直接行動か議会政策に分かれていく中で、荒畑寒村や堺利彦らと赤旗事件をを起こし、一挙に暴力革命へと流れ込んでいく。
ただし、大逆事件そのものは証拠がないのか、評価が分かれるのか、ほとんど語られないまま、唐突にあとがきを迎える。読後感の悪い本である。
坂本武人『幸徳秋水:明治社会主義のシンボル』(清水書院 1972)を少しだけ読む。
幸徳秋水は、1901年に日本最初の社会主義政党である「社会民主党」の創設メンバーに名を連ねている。やがて日本の社会主義運動が直接行動か議会政策に分かれていく中で、荒畑寒村や堺利彦らと赤旗事件をを起こし、一挙に暴力革命へと流れ込んでいく。
ただし、大逆事件そのものは証拠がないのか、評価が分かれるのか、ほとんど語られないまま、唐突にあとがきを迎える。読後感の悪い本である。
ジークフリート・フーバー著、三輪晴啓訳『謎の帝国 インカ:その栄光と崩壊』(佑学社 1978)をざっと読む。
南米を扱っているので、教材研究の一環として手に取ってみた。半分がペルーの古代王朝のインカの神話にまつわる話と、もう半分がスペインの軍人フランシスコ・ピサロがインカを制圧した際の細かいやり取りが説明されている。
訳者のあとがきによると、著者はピサロがインカ帝国を滅したというよりは、帝国自体が自壊作用をはじめており、征服者はむしろそれに立ち会うべく召されたという説明を行っている。納得も反論もできない話である。
ときど『東大卒プロゲーマー:論理は結局、情熱にはかなわない』(PHP新書 2014)を読む。
「ときど」とはプレイヤーネームで、「とんで、キックからの、どうしたぁ!」というゲーム中のセリフから名付けられたものである。
著者自身の子どもの頃からのゲームとの付き合い方が赤裸々に語られる。ゲームの中身に関する話はほとんどなく、格闘ゲームを通じた人間的な成長や、勝敗へのこだわりを通して人間関係が広がっていく話など、何やら偉人伝を読んでいるような感じがした。
格闘ゲームも普通のスポーツと同じように、様々な学びの場が提供される。eSportsに偏見を持っている人にお勧めしたい本である。
吉田友和『ヨーロッパ鉄道ってクセになる!:国境を陸路で越えて10ヵ国』(幻冬舎文庫 2013)を読む。
フランス、モナコ、イタリア、スイス、リヒテンシュタイン、ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリス、アイルランドの10ヵ国を飛行機を使わずに、列車だけで移動した旅行記である。シェンゲン協定に加盟していないイギリス入国以外、ほとんどパスポートを見せずにフリーパスの切符で移動できるEUの便利さが際立つ。一方、著者は国を越えていく変化について、あとがきの中で次のように語る。
国境の概念が希薄化している欧州とはいえ、移動するうちに、ある場所を境に国は変わる。多くの国境ではイミグレーションはないし、「たったいま国が変わりました」などと車内アナウンスが流れるわけでもない。ボケーッとしているうちに、いつの間にか次の国へ入っていたりする。
(中略)看板の文字が違うものになり、建物の色使いが微妙に異なることに気が付く。やがて駅に着いて街を歩いてみると、先ほどまでとは別の世界へやってきたことを悟り、静かな興奮に見舞われる。
後藤武士『読むだけですっきりわかる日本地理』(宝島SUGOI文庫 2009)を読む。
10年前の本であるが、北海道から九州地方の地形や農業、工業まで詳しく解説され、中学校の地理の内容を深めた内容となっている。
興味がない人が読んでも面白い内容ではないが、広島東洋カープの「東洋」の由来や、中部地方に入らない三重県や北陸地方に入らない新潟県の立ち位置など、地理の教科書には載っていない細かい知識が好奇心をくすぐる。