石井至『慶應幼稚舎』(幻冬舎新書 2010)を読む。
筆者の漏らすように、「名門の家庭でお金持ち、センスもよくて都会的、スマートだがスノッブな人物」というステレオタイプな先入観が強い慶應大学付属の小学校である幼稚舎の入門書となっている。校風や学校生活から、受験のノウハウ、さらには志願書に論述しなくてはならない福沢諭吉の教育思想まで丁寧にまとめられており、幼稚舎受験に欠かせない一冊である。
幼稚舎では、「先ず獣心を成して後人心を養え」という福沢諭吉の考えに従って、徹底して体を鍛えることに重きが置かれる。また6年間変わらないクラスの中で、一人一人が個性を伸ばす環境が整えられる。明治の初め1874年に開校されているのだが、大正自由教育の考えを先取りするような教育方針となっている。
ただし、良い面だけでなく、中学校や高校で落ちこぼれになったり、社会に出ても競争に弱い良い子ちゃんで終わってしまったりと、負の面もしっかりと書かれており、他校との比較も含めバランスの良い内容となっている。
月別アーカイブ: 2015年10月
『自転車三昧』
高千穂遙『自転車三昧』(NHK出版生活人新書 2008)を読む。
ちょうど半年前、自転車に乗り始めた頃に、同じ著者の『自転車で痩せた人』を読んでいる。
「ママチャリ生活」「ポタリング生活」「ロードバイク生活・思想編」「ロードバイク生活・実践編」「ピスト生活」「乗らない生活」の6章からなり、自身の体験に基づく考えやアドバイスが述べられている。
特に「ロードバイクに乗るには、思想が要る」と述べるように、クロスバイクに乗るのとは異なる関わり方や楽しみ方が求められると強調する。50歳を過ぎてから自転車に乗り始めた著者ならではの少しひねくれたこだわりが面白かった。
ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム
午前中の仕事が終わり、いそいそとさいたま新都心へ出かけた。
さいたま市長の清水勇人市長も宣伝していた「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」を観戦した。時間の都合で、最後のメインレースしか観ることができなかったが、多くの観客に自転車人気を改めて確認した。前半は、ラフレさいたま近くのコーナーから見ていたのだが、あまりの早さに目が追いつかなかった。それでも手を伸ばせば届きそうな距離を走る選手の顔は、一瞬であったが不思議とよく見えた。後半は場所を変えようとライブビューイング前で、スーパーアリーナへ入っていく選手を応援した。ゴール近くで日本人選手も絡む駆け引きがあり、最後までワクワクと楽しむことができた。
臨時に設置されたスピーカーから流れていたライブ中継で、「自転車競技は、F1のスピード、マラソンの体力、チェスの頭脳が必要だ」という解説者のコメントが印象に残った。
帰り際に新城幸也選手が観客とハイタッチしている姿を見た。先日まで何冊も読んでいた『バイシクルクラブ』に連載を持っており、彼の活躍を読んでいただけに、目の前で芸能人を見るような感動があった。
水と緑のふれあいロード
本日は仕事が休みだったので、昼前からサイクリングに出かけた。
春日部市内をウニョウニョと走り抜け、白岡より「水と緑のふれあいロード」を走った。
平日の昼間だったので閑散とした雰囲気であったが、気分転換には最適であった。
地図もなしで出かけたので、途中何度か迷いそうになったが、オリエンテーリングをやっているようで楽しかった。
菖蒲図書館まで行って戻ってきた。帰り道に2軒の自転車屋に立ち寄り、ひとりリア充を満喫することができた。
wikipediaで調べたところ、本田静六博士は「日本の公園の父」とも称され、日比谷公園を皮切りに、日本の名だたる公園の設計に携わっている。また、埼玉県西部の嵐山町は、当地を訪れた本多静六博士が、当時の比企郡菅谷村の風景が京都の嵐山に風景が似ていることから、「武蔵嵐山」と名付けたことに由来するそうだ。
旧菖蒲町が生んだ数少ない偉人であり、町民の誇りであったのに、久喜市に合併されて以降、あまり重きを置かれていないのは残念である。