月別アーカイブ: 2021年1月

『ブラを捨て旅に出よう』

歩りえこ『ブラを捨て旅に出よう:貧乏乙女の”世界一周”旅行記』(講談社文庫 2012)を読む。
世界の政治や貧困といった高尚なレポートではなく、勝手気ままに働きながら、ただひたすら観光を楽しむ肩の力の抜けた旅行日記である。読んでいる方も気楽で良い。
最後に著者は次のように述べる。

言葉というものは意思疎通の手段に過ぎず、一番大事なのは表情でコミュニケーションをとることだ。笑顔ひとつあれば、たとて言葉がわからなくても気持ちは通じるし、怒っている時は口をへの字にするだけでおのずと相手に伝わる。嬉しいときは素直に笑う、そんなシンプルなコミュニケーションだけで世界中を旅できてしまうのだ。

「バイデン政権始動 ウイグル迫害、香港問題、台湾圧力」

本日の東京新聞朝刊に、米国バイデン政権の中国政策や、インド太平洋の防衛戦略に関する記事が掲載されていた。授業の中で触れたように、バイデン民主党大統領は、トランプ前大統領とアプローチは異なるが、「人権」や「民主主義」を切り口に、中国に圧力を掛けていく方針を継続していくとのこと。また、トランプ前政権が中国への対抗策として推進した日本、オーストラリア、インドとの4カ国連携枠組み「クワッド」もさらに強化するとのこと。共和党から民主党に国内政策や環境政策は大きく変わっても、外交路線はほぼほぼ継承していくようだ。

『南極情報101』

神沼克伊『南極情報101』(岩波ジュニア新書 1983)を読む。
世界で5番目に大きく、日本の36倍の面積を有する南極大陸に何度も訪れた経験から、南極の風景や地理情報、生物、歴史などが分かりやすい口調で語られる。

南極は北極よりも気温にして約20度低いという結論が得られている。その原因は2つあり、1つは、公転軌道の関係で南極の夏は北極に比べ7〜8日短いというものだ。もう1つは、南極の氷床の表面では、太陽エネルギーの80〜90%も反射してしまい、放射エネルギーによる温度上昇が限られるという点である。

また、ナンキョクオキアミは10億から30億トンも生息しているとされる。オキアミは総量の5パーセントまでならとり続けても自然の生態を壊すことはないと推定されている。1億トン、つまり現在の世界の漁獲量に等しい水産資源がオキアミだけでまかなえる計算である。すでにオキアミはカマボコや魚肉ソーセージに加工されて家庭の食卓にものっているもので、今後ますますオキアミに豊富に含まれるタンパク質が重要となってくる。