本日の東京新聞朝刊記事より。
ちょうど先日、地理Bの入試演習で「線状降水帯」が出てきたばかりだったので貼り付けてみた。線状降水帯とは、ほぼ同じ場所に暖かく湿った風が入り込み、地面が熱せられて生じる激しい上昇気流に乗って、積乱雲が次から次へと発生する降水域のことを指す。洪水や土砂崩れ、大規模な冠水といった都市災害を引き起こすことで、ここ数年一気に知られるようになった用語である。この言葉を聞いたら、すぐに避難準備を始めるよう、授業の中でも喚起していきたい。
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『飛行のはなし』
加藤寛一郎『飛行のはなし:操縦に極意はあるか』(技法堂出版社 1986)をパラパラと読む。
東京大学で工学部航空学科の教授を務める著者が、飛行機が飛ぶ原理に始まり、引き起こしや宙返りなどの力学的解説、零戦の左捻り込みやブルーインパルスの変形インメルマンなど、かなりマニアックな内容について分かりやすく語る。あとがきの中で著者自身、微分方程式が登場する横書きではなく、言葉で説明する縦書きで書くことの難しさを吐露している。
「中東欧経済から中国排除じわり」
本日の東京新聞朝刊記事より。
本日の授業の補足になります。国士舘大学の入試問題に、ロシアと袂を分かった国ジョージアが出題されました。カフカス山脈周辺のアルメニアやアゼルバイジャン情勢ついて紹介しました。
同じくロシアに反目するウクライナでも、クリミア半島を巡って軍事的緊張が続いています。バイデン政権成立後、欧米の軍事同盟が復調になり、中国やロシアを挟みこんでいく冷戦的な枠組みが復活しつつあるように感じます。つい先週もロシア軍が、黒海でイギリス海軍の駆逐艦「ディフェンダー」に対して、警告爆撃を行っています。黒海に再び鉄のカーテンが下ろされたのでしょうか。
間帯土壌の一つであるレスは、中国の黄土高原とハンガリーのプスタの2つの地域が有名です。中国とハンガリー両国は、地中海の石灰岩のテラロッサやデカン高原のレグール、ブラジルのテラローシャなどと同じ「間帯土壌」仲間なのに、「一帯一路」経済圏構想では、しっくりといかない間柄のようだ。(本日の入試問題演習の復習を兼ねて)
『百姓をやりたい』
安達生恒『百姓をやりたい:新規就農ガイド』(三一新書 1994)を読む。
30年前の本で、農協(JA)や既存の農業体制から離れた、新規の就農者や新たな肥料の仕入れや販売ルートの開拓の道を進む若者の姿を追う。時代なのか、70年安保闘争で大学を辞め、島根県の山奥にある弥栄村で農業を始めた若者が農村の中核を担っている様子も報じられている。(三一書房ゆえの中核派?)
ステーキガストのタブレットを見て考えたこと。
昨日、近所にあるステーキガストに出掛けた。
おじさんなので、肝心のお肉の前に、サラダバーとコーンスープだけでお腹いっぱいになった。そこで時間を持て余したので、注文用のタブレットを眺めていたところ、肉厚のステーキの画像が映った。説明文の中の「穀物肥育」という文言が目に留まった。本来草食動物の牛は、消化の悪い草を反芻しながら時間をかけて栄養を摂るので、丸々と脂肪が付く動物ではない。しかし、牛肉の効率的な生産のために、牛にとうもろこしや大豆などの穀物のみを与え、狭い檻に閉じ込めカロリー消費すらも抑えて太らせる肥育場(フィードロット)と呼ばれる場所で、出荷直前の数ヶ月を過ごす。下の写真は、牛肉生産世界第2位のブラジルのフィードロットの風景である。正直、過密で衛生面でも不潔な肥育場にはあまり良い印象はない。
ガストはホームページでメニュー別に「食材原産地一覧」を公開している。細かい数字は掲載されていないが、牛肉はアメリカやオーストラリア、メキシコが多くなっている。豚肉はアメリカとカナダ、鶏肉はブラジルが多い。牛肉は穀物で肥育するためか、アメリカ中西部のグレートプレーンズなどの乾燥地域を多く抱えている国が多い。写真を見るに、草も全くない刑務所のようなところで屠殺を待つ牛の気持ちはどんなだ?ドナドナドーナドーナ♫
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