三浦展『下流大学が日本を滅ぼす!:ひよわな”お客様”世代の増殖』(ベスト新書 2008)を読む。
著者によると、現在、一定程度以下の大学では、推薦入試やAO入試の増加で、いわゆる「受験勉強」を経験していない「少子化ゆとり」世代が半分以上を占めるという。またそうした「躓き」を経験していない世代が就職活動をし、社会に出て行く仕組みそのものに疑義を呈している。
月別アーカイブ: 2010年7月
『ゲーム脳の恐怖』
森昭雄『ゲーム脳の恐怖』(生活人新書 2002)を読む。
著者は脳神経科学を専攻する日本大学大学院の教授である。著者は自身が開発した簡易型の脳波計を用いて、テレビゲームばかりをしていると、考え事をしたり頭を使う際に出て来るβ波が極端に減少し、やがては日常の思考活動そのものが不全の状態になる症例を明らかにしている。
途中、脳の機能など専門的な話が続く。その中で、反射神経を使うようなゲームにおいては、能の活性化どころか、逆に脳の前頭葉の機能を停止させるという事実に改めて恐怖を感じた。
『僕にできないこと。僕にしかできないこと。』
春山満『僕にできないこと。僕にしかできないこと。』(幻冬舎 2000)を読む。
進行性筋ジストロフィーによって首から下の運動機能が完全に失われた著者が、会社を経営し、福祉ビジネスによって社会に貢献しようとする意気込みが著される。
『インセプション』
子どもをお風呂に入れて、春日部ララガーデンへ、クリストファー・ノーラン監督『インセプション』(2010 米)を観に行った。
何重もの入れ子構造で話が展開し、少しでもぼおっとしていると話が分からなくなるが、久しぶりに結末の分からないドキドキ感に満たされた。
「こしがや能楽体験教室」
本日は、越谷市主催の「こしがや能楽体験教室」の狂言体験コースに参加した。
越谷市では、1991年から「能楽」による文化のまちづくりに取り組んでおり、「一部の人たちのもの」という能楽のイメージを払拭し、日常生活にとけあった市民参加型の文化活動として学び楽しみながら、新たな市民文化の創造を目指す取り組みを行っている。
日程の前半は講師の話、そして、後半では「このあたりの、ものでござる」といった狂言の言い回しや、扇子を用いたお酒を飲むシーンなどの練習をした。講師の先生によると「能」が人生や生死についての哲学を描くのに対し、「狂言」は日常生活に潜む人間の本質を描くという。
短い時間であったが勉強になった。