町田康『きれぎれ』(文藝春秋 2000)を手に取ってみた。
第123回芥川賞受賞作の「きれぎれ」と、「人生の聖」の2作が収録されている。「きれぎれ」の方を数ページ読んだが、どうにも受け付けなかった。
前にも町田氏の本を読んだが、それも途中で挫折した気がする。どうも現実と虚構がないまぜにになるような小説は苦手だ。
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『アントキノイノチ』
さだまさし『アントキノイノチ』(幻冬社 2009)を読む。
まったく予想できない展開で、最後に伏線が繋がって「アントキノイノチ」とアントニオ猪木が繋がり、「元気ですかぁ!」のイメージが作品を印象深いものにしている。読んで良かったと思える作品だった。
都心サイクリング
『カレンダー日本史』
永原慶二編著『カレンダー日本史』(岩波ジュニア新書 1979)を手に取ってみた。
1年365日の歴史的出来事を取り上げるという、何ともつまらない本であった。ちなみに私の誕生日、7月16日は「1260年、日蓮が『立正安国論』を書いて幕府に提出した日」となっている。一応教科書で取り上げられている史実を集めたので、歴史の復習には役立ちそうだが、ネットが発達した現在は、読むだけ時間の無駄である。
「渡り鳥 地球をゆく』
長谷川博『渡り鳥 地球をゆく:キセキレイ・ハクチョウ・アホウドリ』(岩波ジュニア新書 1990)をパラパラと読む。干潟に生息するキセキレイや、シベリアから飛来するハクチョウ、鳥島と尖閣列島にしか生息していないアホウドリの研究にかける思いが綴られている。本文の趣旨とは違うのだが、北極圏のツンドラに関する記述が面白かった。
ツンドラ気候の定義は、夏のあいだの最暖月の温度が10度以下ということです。0度以下だと氷雪気候というのです。ツンドラでは、夏のあいだは表層の雪が溶けますから、表層にはコケなどが生えたり、草が生えます。川辺にはごくわずか低木も生えます。それでも地表から約30センチより下は凍っています。永久凍土層です。むかし、ツンドラの地下の永久凍土層から、マンモスの赤ちゃんの死骸が発掘されたことがありましたね。凍りっぱなしなので、ほとんどそのままで保存されていたのです。
それより暖かいところだと、樹木が生えるようになります。タイガに入るのです。しかし、ツンドラでも、氷雪気候とはぜんぜん違って、生き物はわりに豊富です。生物というのは、生きる条件の少しでもあるところには、必ず適応して進出している。それはけなげでもあり、たくましくもありますね。