月別アーカイブ: 2010年10月

『LOVE at Night:ホストに恋した女子高生』

有也『LOVE at Night:ホストに恋した女子高生』(ミリオン出版 2006)を読む。
横組で、改行が多く、タイトル通りホストに恋する女子高生の一人称の語りで話が展開していく、そのものズバリの“ザ・ケータイ小説”である。
主人公に感情移入できないまま結末を迎えてしまい、テレビドラマを横目で見ているような「素通り」感だけが残った。

『ホームレス中学生』

田村裕『ホームレス中学生』(ワニブックス 2007)を読む。
一時期話題になった「芸人本」である。タイトルから連想するに、公園でホームレス生活という劇的なドラマを期待させる。しかし、作者本人は至ってどこでもいそうな平凡で善良な一市民である。しかし、彼はその平凡な生活に心からの感謝を表することを隠さない。あとがきの次の一節が印象に残った。

僕は、お湯に感動できる幸せのハードルの低い人生を愛しています

『削除ボーイズ0326』

第1回ポプラ社小説対象受賞作、方波見大志『削除ボーイズ0326』(ポプラ社 2006)を読む。
ひょんなことから、過去の出来事を削除することのできる機械を手に入れた小学生たちが主人公のSF小説である。所々に突っ込みどころがあるが、古典的な時間操作による「パラレルワールド」をモチーフにしており、飽きずに楽しむことができた。ここしばらく多忙で、久々に読書に耽った気がした。

本日の東京新聞「筆洗」より

本日の東京新聞朝刊の一面コラム「筆洗」の文章が心に止まったので、留めておきたい。

子育てを妻任せにせず、積極的にかかわっている父親はイクメンと呼ばれる。仕事を言い訳にして育児は妻に頼りっきりで、いまだに肩身が狭い者としては、自然体で子育てをするイクメンたちはまぶしい存在だ。
休日には夫の家事・育児時間が長いほど第二子が生まれる割合が高いという調査結果もあるという。少子化対策にも効果的なイクメンを増やそうと、自治体の首長から育児休暇を積極的に取る動きが出てきた。
広島県の湯崎英彦知事は「子育て支援の象徴的なメッセージとなる」と第三子の出産に合わせて、今月末から育休を取得する。長男(七つ)、長女(四つ)の世話や家事が必要な時間帯に限り、約一カ月間、一部の公務を休む。これに異を唱えたのが、七人の子どもの父親である橋下徹知事だ。
自治体は組織も大きく、首長が育休を取っても支援を得られやすいが、世間ではそんな人は圧倒的に少ないと橋下知事。「休もうと思っても休めないのが現状。世間が育休をとれる環境をつくってから取るべきだ」と語った。
世間知らずとの苦言に、湯崎知事は「大きなお世話だ」と反論。自らが実践することで、男性が育休を取得しやすい環境づくりに取り組む考えを強調したという。
二人の知事の主張は、それぞれ理解できる。イクメンが当たり前の世の中にしていくためにも、論争の深まりを期待したい。

パンフレット研究:駿台電子情報専門学校

駿台電子情報専門学校のパンフレットを読む。
1970年に駿台電子計算機専門学校として開校した、今年40年を迎える中堅校である。御茶ノ水にある駿台法律経済専門学校と校舎を同じくする。3年制のコンピュータ高度技術科、2年制のSEプログラム科、Webデザイン科、情報ビジネス科、そして1年制のコンピュータ技術科を擁する。3年制の科では、ゼミナールも実施され、卒業研究や作品制作にも力を注ぐ。また、情報ビジネス科は短大の秘書科と同じで、一通りのコンピュータ知識の修得に加え、簿記検定や秘書検定対策の講座なども用意される。
また、学費も初年度の合計が88万円~112万円とリーズナブルである。都心の一等地にあり、下手な大学に行くよりも1年2年早く資格を取って社会に出た方が良いのではないかと思ってしまう。特に理系の専門学校は資格と就職の関係が強く、資格取得までの道のりもカリキュラムに見えやすいので、悩みやすい学生にとっては自信を付けるよい場となるであろう。また、予備校と同じく学生チューター制度も設けられ、教わる学生にっても、また教える側の学生にとってもよい学びの機会となるであろう。