月別アーカイブ: 2023年1月

『安全な食べ物 選び方Q&A』

食生活研究会編著『安全な食べ物 選び方Q&A:主婦たちのテェックポイント100』(三一新書 1994)をパラパラと読む。
いかにも三一書房っぽい内容の本だった。野菜・果物をはじめ、穀類、水産物、畜産物、酪農品、調味料、飲料、菓子、加工食品、調理済み食品に至るまで、食品表示から安全な食べ物とそうでない食べ物の見分け方が懇切丁寧に説明されている。

かつては日本全国で肉牛を育てており、我が埼玉県にも秩父牛、鴻巣牛、騎西牛といったブランド牛があったようだ。また、アイスは乳脂肪分の含有量で、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの3段階に分類される。天然果汁に濃縮果汁還元の表示がある商品があるが、品質面ではストレート飲料とほとんど違いがないとのこと。

『さまよう刃』

東野圭吾『さまよう刃』(角川文庫 2004)を読む。
面白かった。10年前に地上波で放映された映画は面白くなかったが、小説の方は警察や犯人、被害者それぞれの考え方や生き方が描かれていた。最後は一気に読み進めた。ちょうど加害者で同時に娘を失った被害者の父親と同じ世代であったので、思い入れも一入であった。

「春節の旅行者

本日の東京新聞朝刊に、今年の中国の1月の観光客がコロナ以前の9割弱にまで回復したとの記事が掲載されていた。日本は2010年代の10年間で観光客が5倍にまで増加している。2019年には3200万人と過去最高を記録している。そのうちの3分の1弱が中国からの観光客となっている。爆買いなどの言葉が流行語となったほどである。しかし、コロナ以降激減し、2021年は24万人にまで落ちこんでいる。コロナが落ち着きを見せている今年こそ、日本の観光業界のみならず、イベントやスポーツなども元通りに戻ってほしい。

「ユダヤ礼拝所銃撃 7人死亡」

本日の東京新聞朝刊に、エルサレムでパレスチナ人の若者がユダヤ礼拝所を銃撃したとの記事が掲載されていた。ちょうど地理総合の授業で取り上げたばかりなので、少し解説を加えたい。

授業でも説明した通り、エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つの宗教の聖地となっており、国際連合はどこの国にも属さない都市だとしている。そのため日本を含む世界のほとんどの国は、イスラエル国内の大使館を地中海に面したテルアビブに置いている。しかし、米国だけは2017年に駐イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移している。つまり、エルサレムこそがイスラエルの首都だというイスラエル政権の主張を認めたことになっている。米国の軍事的支援もあり、イスラエルはかつてないほどの軍事国家となっている。

授業中にも触れたが、イスラエル国家の視点に立てば、テロを行ったパレスチナ青年は加害者で、礼拝所を銃撃されたユダヤ教徒は被害者である。しかし、パレスチナ人の視点から見ると、圧倒的な軍事力をもってパレスチナ人の暮らしそのものを破壊するイスラエルこそ加害者である。地図帳や世界史の知識を生かして、多様な視点を持つことが高校地理には大切である。

また、イスラエルは地中海に面しており、夏は亜熱帯高気圧にすっぽりと覆われるので、6〜8月の降水量は0mm、9月も0.3mmと砂漠並みに降雨がない。地球の動きも合わせて理解しておきたい。

『骨と骨組みのはなし』

神谷敏郎『骨と骨組みのはなし』(岩波ジュニア新書 2001)をパラパラと読む。
「骨組み」という言葉は、「物事の根本となる仕組み」という意味ではよく用いるが、「からだの骨の組み立て」という意味で使うことはない。この本のタイトルにある「骨組み」は、ズバリ脊椎動物の骨の組み立てであり、解剖学の見地から魚類から両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類へと進化していった骨組みの専門書といってもよい。

著者の経歴は変わっていて、Wikipediaで検索すると、青山学院大学文学部教育学科を卒業した後、東京大学医学部に進み、解剖学を専攻し、医学博士まで取得している。そして、医者にはならずに哺乳類学者となり、骨格の観点から生物の進化を研究している。

本文は読みきれなかったが、大量の骨組みのイラストだけを眺め続けた。魚類と哺乳類は全くの別の生物だが、骨組みだけを見ると、魚類から爬虫類、そして哺乳類へと正統に進化していった感じがする。