月別アーカイブ: 2009年12月

『フォースカインド』

4th Kind

仕事の帰りにララガーデンへ、オラトゥンデ・オスンサン監督映画『フォースカインド』(2009 米)を観に行った。
西口でラーメンを食べて、たまたま時間がちょうどよかったので観ることにした。『エクソシスト』のようなホラー映画かと思っていたら、意外や意外、『未知との遭遇』のような宇宙人映画であった。10年前に録画されたというビデオ映像も出て実話のような形式をとっているのだが、最後までうさんくささがつきまとう内容であった。

パンフレット研究:成城大学

 1917年に澤柳政太郎によって創立された成城小学校に始まる。1925年に学園全体が牛込区から府下の砧村に移転し、後に校名にちなんで成城という町名がつけられ、高級住宅街のブランドと相俟って発展してきた大学である。
 創立者の澤柳政太郎は、京都帝大総長時代に、文部省の内意を受けて7人の教授の辞任を要求したところ、法科大学教授会を中心とした頑強な抵抗にあい、結 果、教授の任免に関する教授会の自治と総長の選挙制が確立したという、いわゆる「澤柳事件」で京大を退官した経緯を持つ。そのため「自由」や「個性」「創 造性」を尊重する教育方針を打ち立て、当時の民間教育運動に貢献していく。

 現在は経済学部、文芸学部、法学部に加えて、2005年に社会イノベーション学部が開設されている。社会イノベーション学部とは政策イノベーション学科と心理社会学科で構成され、心理学や社会学の視点を加味した総合政策的な内容となっている。
 創立者の精神を受け継いだのか、オールインワンキャンパスの利便性のためか、全学共通教養科目が充実しており、どの学部でも少人数ゼミを多数開講している。
受験倍率も平均して5倍近い。特に人気の文芸学部マスコミュニケーション学科は08年度は12倍となっている。

『ギブソン』

伊藤たかみ『ギブソン』(ポプラ社 2005)を読む。
ちょうど舞台は昭和が終わる1988年、とある郊外の町、中学2年生のグループがバンドを組み、練習を重ね、文化祭で「ガンズ・アンド・ローゼス」の曲を完奏するまでのドラマである。青春小説であると同時に、現在30代半ばの団塊ジュニア世代の懐古小説ともなっている。

ちょうど私自身も小説で描かれた1988年に中学3年生であった。昭和天皇の下血が毎日のように報道され、ニュータウン、金余り現象、消費税、受験戦争、 JーWAVEの開局など、急激に世相が変化していったあの時代感覚を共有している。小説を読みながら、周囲がどんどん先へ行っているのに、自分だけが取り 残されてしまったのではという当時感じた焦燥感を少しだけ思い出した。

『かもめ食堂』

群ようこ『かもめ食堂』(幻冬舎 2006)を読む。
大人版『魔女の宅急便』のような雰囲気の作品で、日本での退屈な生活やただ惰性のままに歩んできた人生そのものに疲れを感じた女性3人が、フィンランドで 食堂を営むという不思議な設定の作品である。ヘルシンキの人々との優しい交流の中で、自分を肯定し、自分の居場所を探していく女性の姿が印象的であった。
映画のための書き下ろしなので、淡々と脚本のように話が進んでいき、あっという間に読み終えてしまった。

パンフレット研究:武蔵野美術大学

武蔵野美術大学のパンフレットを読む。
東京小平市にあり、JR武蔵野線鷹の台駅から徒歩20分のあまり便利ではない場所にある。1929年創立の帝国美術学校に始まり、1935年に「同盟休校事件」なるものが発生して、多摩帝国美術学校(多摩美術大学)と分裂して現在に至るそうだ。
造形学部一学部の単科大学で、日本画学科、油絵学科、彫刻学科、視覚伝達デザイン学科、工芸工業デザイン学科、空間演出デザイン学科、建築学科、基礎デザイン学科、映像学科、芸術文化学科、デザイン情報学科の11学科で構成される。特に視覚伝達デザイン学科の入試倍率は12倍となっており、他学科も平均5倍近い倍率に達する難関大学である。

パンフレットは大変カラフルで、ぱらぱらと眺めるだけでも楽しめる内容となっている。原色豊かな作品があふれる日本画学科や空間をも活用した油絵学科、人間の認識の枠組みを壊していくような空間演出デザイン学科の作品がページに溢れ、一冊の美術書のような趣である。「彫刻とは『どこにもないもの』を探り当てること」「工業デザインとは、工業製品を通じて人を幸せにする仕事」などのキャッチフレーズが印象に残る。