日別アーカイブ: 2009年12月21日

パンフレット研究:國學院大学北海道短期大学部

國學院大學創立100周年の記念に、1982年に北海道滝川市に設立された國學院女子短期大学を母体とする。滝川市は札幌から特急で1時間、旭川からも30分の不便な場所にある。おそらくは大学のブランドを滝川市が誘致したのであろう。
現在は男女共学化され、國學院大學との関係も緊密になり、希望者の大半が3年次に國學院大学への編入が可能となっている。現在は国文科、総合教養学科、幼児・児童教育学科の3学科編成となっている。特に総合教養学科は國學院大學の文学部だけでなく、法学部や経済学部への編入も希望すれば実現できるようである。
入試でも國學院大學との併願入試が可能であり、國學院大學に落ちた学生の受け皿ともなっている。そのため、関東圏からの学生も多数入学している。國學院大學側にとってみればバブル期の間違った拡張経営の残滓であろうが、短大側にとってみれば、國學院への進学が90%以上保証されているというのは、この上ない宣伝要素である。

パンフレット研究:星薬科大学

東急池上線戸越銀座駅から徒歩8分の便利な場所にある。6年制の薬学部と4年制の創薬科学科で構成されている。この大学名の「星」は1920年に星製薬株式会社の教育部門である星製薬商業学校にちなむ。星製薬はSF作家星新一氏の実父の星一(はじめ)氏が創立した会社である。その創立から破綻までのドラマは、星新一氏の『明治・父・アメリカ』や『人民弱し官吏は強し』といった作品に詳かに描かれている。私も中学校時代に読んでいたく感動し、感想文の宿題で、一丁前に経営の面白さについて書いた記憶がある。
パンフレットを読む限り、星薬科では設立後一貫して「人材育成」を掲げ、他学部を開設するなどの拡大経営をせず、付属の病院すらない。一時期の薬学部ブームは去ったとはいえ、公募推薦で3倍、一般入試で5倍近い受験生を集めている。
しかし、慶応大学と共立薬科大学が合併したように、今後の薬学部は、医学部や付属病院との連携が求められており、いつまでもブランドの上に胡座をかいてはいられないであろう。立地を考えると、薬学部のない東海大学もしくは、横浜市立大学などと合併の道を探るというのはどうであろうか。