日別アーカイブ: 2009年12月12日

『爆笑問題の清き一票を田中に!』

爆笑問題『爆笑問題の清き一票を田中に!:流行と事件のアーカイブ2006~2007』(集英社 2007)を読む。
週刊プレイボーイに連載されている時事問題をネタにした漫才である。
中沢新一と太田光の、二人の共著『憲法九条を世界遺産に』を巡る対談が興味深かった。その中で中沢氏の主体性についての発言に対して、太田氏は次のように述べている。

中沢:左翼は戦争に至る過程の日本を全部否定して、戦後を良いものとした。もう一方は、戦後の体制は悪くて、戦前は美しいという。両者とも戦前と戦後を切っているんですよ。ところがこの本はちょっとよじれているけれども、戦前の日本も戦後の日本もひとつの連続体で、あの戦争をしたのも日本人だし、そして、いま、平和憲法のもとに生きているのも同じ日本人だというところに論点をすえなきゃいけないんじゃないかといっています。

太田:日本の歴史って、例えばA級戦犯だとか、外国でいうとヒトラーだとか、わかりやすい悪人がいて、それを攻撃しておけばいいみたいなところがあると思うんですけど、日本に限らず、歴史の中で一番怖いのは大衆だと思うんです。それに比べれば、小泉さんも安倍さんもたいして罪はない。大衆が怖いということは、自分が怖いということで、そうしたことが本当は大事だと思うんです。