日別アーカイブ: 2009年12月29日

『まるでエイリアン』

中野収『まるでエイリアン:現代若者考』(有斐閣 1985)を旅の途中の居酒屋でパラパラッと読む。
私自身が中学生だった1980年代がどういう時代であったのか振り返ってみたいと思い手に取ってみた。
当時、法政大学社会学部の教授であった著者が、『なんとなく、クリスタル』に代表されるブランド志向や、女子大生ブーム、ウォークマン、『ぴあ』、少女マンガなど、当時を席巻した若者文化に対して、学問的観点から分析を加えている。特に60年代後半から70年代初頭の、いわゆる「全共闘」世代との対比から、当時の若者世相に迫っている。当時の若者は外部の権力に抗して自我をストレートに肯定し主張した全共闘世代に対して、外部との価値を絶って自我をぬるま湯的に育てている〈カプセル人間〉であると筆者は分析している。

特に1990年代後半以降の若者気質が変わったと喧伝されるが、その萌芽は80年代にあり、またその胎動は70年代に始まっているのである。

茨城・福島へドライブ

 
 

昨日で仕事納めとなったので、目的地のない独りドライブを楽しんだ。
とりあえず、茨城北部にある袋田の滝に行った。日本の三名瀑と称されるだけあって、なかなかの迫力であった。


袋田の滝からぶらぶらと当てもなくさまよった。途中茨城県最大と言われる小山ダムに立ち寄った。このような大きいダムが今現在必要なのだろうかと疑問を感じながら少しだけ散策した。
愛車ミラージュと一緒にパチリ。


小山ダムを下っていくと、石岡第一水力発電所の脇を通りかかった。案内看板によると、1911年(明治44年)に運用を開始した日本で一番古い現役の水力発電所ということだ。人気のないちょっと古めかしい建物から機械音が漏れてきていた。


川を下って、そのまま国道6号線を下り、福島県いわき市に入って、歌枕にもなっている勿来の関へ行った。着いた頃は辺りは薄暗く景色を楽しむことはできな かった。この勿来の関とは、「副詞の呼応」頻出の「な~そ」の意味が含まれることからも分かるとおり、古くから東国の外れの象徴として捉えられていた。し かし、この古来から歌われた勿来の関が実際に福島県いわき市にあったという確証はないようである。

 
いわき駅近くのビジネスホテルで一泊して、小名浜へ向かった。久しぶりに見る水平線、久しぶりに聞く波の音、そして久しぶりに嗅ぐ潮の匂いにほっとした。