本日の東京新聞朝刊に作家加賀乙彦氏のインタビュー記事が掲載されていた。
加賀氏はインタビューの中で、「日本の不幸の始まりは1952年、日米安全保障条約の発効にあることを確信した」とし、「米軍基地と公共事業は関係があ る。日本は防衛を米国に任せ、公共事業で高度成長を支えた。日本は米軍基地を通じて朝鮮戦争からイラク戦争まで荷担したのだ。つまり日本の高度成長の裏に は戦争がある」と述べている。
そして、「普天間を端緒に米軍基地をすべて撤廃すべきだ。防衛は自衛隊だけで結構。政治家もジャーナリストも 『北朝鮮や中国の軍事的脅威から、米国が日本を守っている』『米国を怒らせたら大変なことになる』というが、全くの幻想だ。むしろ日本に米軍が駐留し続け ているために、北朝鮮も中国も軍備増強に走る。米軍が日本から出ていけば、東アジアは平安になるのではないか」と主張する。
さらに「米軍基地に象徴されるように、誰かに全部任せっきりにして、『分からない』『興味がない』と考えることを放棄したり、『どうせ何も変わらない』と行動する前からあきらめる習慣から脱却しよう。これからは自分たちで考え、自分自身の意見を持とう」と呼びかける。
いかにも医者らしい高踏的な見解で、右や左に与することなく、個人の判断、個々の責任を主張する。あまり目新しい意見ではないが、時々は目にしたい内容である。