日別アーカイブ: 2017年8月19日

「カガメ大統領3期目」

本日の東京新聞朝刊国際面に、4日のルワンダ大統領選圧勝したポール・カガメ大統領が18日、3期目に就任した。国際社会からは強権支配に批判が集まるが、順調な経済政策を背景に最終得票率98.79%という圧倒的な国民の支持を得た。大統領選は、多数派の農耕を主とするフツ族が少数派の遊牧を主流とするツチ族らを襲撃して80万人が犠牲になった1994年の大虐殺以降、3回を数える。2000年から大統領職についているカガメ氏はツチ人である。

この記事の中で、ルワンダ(首都キガリ)が順調な経済政策を遂げているという点が気になって、ネットを調べてみた。
ルワンダは日本よりも人口密度が高い内陸国で、人口は1210万人もいる。国民の9割が農業に従事しているが、鉱業が盛んですずやタングステン、金、天然ガスなどが産出している。また、カガメ大統領がフランス語が話せないこともあり、近年はルワンダ語やフランス語は政府機関や学校教育から外され、英語が筆頭公用語としての地位を固めつつある。そのためイギリスやアメリカとの経済的関係も強化され、観光産業にも大胆に投資され、「アフリカの奇跡」とも呼ばれるようになっている。

人口も多く、成長率4%をこれから注目していきたい国である。

「社会の軍事化が進む」

本日の東京新聞朝刊一面に、日本を「戦える国」に変質させる安保法やその安保法に実質的お墨付きを与える安倍政権による改憲の危機が迫っている現状に対して、家族法・憲法学者の清末愛砂さんのコメントが掲載されていた。

学生時代から変わらない行動力が素晴らしい。確か阪大の院生時代に勉強が楽しいとおっしゃっていたことが記憶の片隅に残っている。全文引用してみたい。


自衛隊を憲法九条に明記する明文改憲が差し迫っている今、本当に戦争できる国づくりが進んでいると実感している。改憲派からは、護憲派は空想論的平和主義者との批判があるが、私はとても現実的な平和主義者だ。パレスチナやアフガニスタンで非暴力運動や難民支援に取り組んだ経験があり、安倍晋三首相よりもはるかに戦闘地や紛争地の現実を知っている。

 銃撃戦や目の前を戦車が走るのを目にし、武器や武力がいかに巨大な暴力を生むかを学んだ。自衛の名の下に暴力が増大する。武力に抑止力なんてない。パレスチナの難民キャンプでは、激しい銃撃戦に、生まれて初めて腰を抜かし動けなくなった。自分がいる建物の壁をガンガン撃たれた恐怖は消えない。殺された友人もいる。

 そうした現実を知らず、想像することすらせずに戦争ができる国づくりを進められても非現実的、非科学的としか思えない。現実的な観点から、憲法九条が非暴力的な社会をつくり出すために生かすことができる条文であると訴えたい。

 安保法制で自衛隊は専守防衛の組織ではなくなった。とりわけ集団的自衛権の限定行使を可能にした点で、侵略軍としての要素を持つようになった。明文改憲で自衛隊が明記されれば、その要素が増し、社会の軍事化が進むだろう。

 安保法制下で自衛隊の海外派遣が進められると、隊員は大きなストレスを抱えることになる。戦闘地には恐怖がまん延し、尋常でない緊張感を強いられる。隊員による派兵先でのさまざまな暴力や内部でのセクハラの悪化を招くだろう。

 安倍政権はどれだけ支持率が下がっても改憲するつもりだろう。護憲派は抵抗の手を緩めてはいけない。

<きよすえ・あいさ> 1972年生まれ。室蘭工業大大学院工学研究科准教授。専門は家族法、憲法。アフガニスタンの女性や難民支援に取り組む。2002年にパレスチナで非暴力の抵抗運動に参加し、デモ参加中にイスラエル軍の発砲で脚に負傷した。