本日の東京新聞夕刊の「論壇時評」というコラムで、宮崎哲弥氏が小泉政治の対抗軸についての展望について言及している。宮崎氏は、小泉型「構造改革」政治、「新しい自民党」路線に対するオルタナーティブ(もう一つ別の政治路線)の一つとして、道場氏の提案するネットワークやコミュニティなどを重視した「下から」の公共性の醸成に可能性を見出している。(以下転載)
例えば、社会運動史家の道場親信氏は「『国家の言うままにならないという記憶』(鶴見俊輔)を分かちもつコミュニティ」の探求あるいは模索のなかから、ネオリベラリズム的「改革」への対抗理念を掴み出す可能性に賭けている(「〈戦後〉そして歴史に向き合うことの意味は何か」『論座』)。
その具体的な戦略とは、例えば政府や地方自治体に対する「『コミュニティ』再建のための費用負担要求、『公民』としての権利要求」であり、道場氏はそうしたムーブメントがやがて「国家を揺さぶる力」になり、「新たな『連帯』の『伝統』を作り出す」ことを期している(「『戦後』と『戦中』の闇」『現代思想』12月号)。