今日のテレビのニュース番組は、耐震強度偽装事件におけるヒューザーや木村建設、総合経営研究所、姉歯建築事務所への一斉家宅捜査のニュース一色であった。110ヶ所に捜査員が約520人も動員されたそうで、その数はオウム真理教以来の動員ということだ。
ここ1ヶ月ばかり新聞やテレビでさんざん疑惑追求の報道がなされたので、捜査員が大挙して会社に押し入る場面に、水戸黄門や遠山の金さんよろしく溜飲を下げた視聴者も多いことだろう。偽装マンションの住人からも「誰が一番悪いのか明らかにしてほしい」「誰が責任をとるべきなのか真相を解明してほしい」との発言が相次いだ。国会での茶番劇やマスコミの扇情的な報道で大衆を不安に陥れた上で、権力が一刀両断に制裁を加えるという構図は、石原都知事の誕生やオウム真理教における破防法適用審議を彷彿させる。マンション購入者はそのマンション選択のミスを問われることのない徹底した「弱者」であり、そうした弱者を苛める悪代官は白日の元にさらし出して公権力の裁きで圧殺すべしと、大衆が期待するそうしたカラクリにこそ、大きな危険が潜んでいる。