新都心へ北野武監督・主演『TAKESHIS’』(2005 松竹)を観に行った。
二枚目の映画俳優として大活躍するたけしと、映画の脇役オーディションに落ち続け、アルバイト生活に明け暮れるアナザーたけしの二人の過去と夢が交錯する不可思議な映画である。お笑いのリーダーとしてマスコミによって作り上げられたピエロ役の「ビートたけし」に違和感を持つ内面の北野武が、過去の思い出であるタクシー運転手時代や映画「HANA-BI」のストーリーに迷い込む荒唐無稽な展開となっている。ふと10年以上前の浪人生時代に読んだ、筒井康隆の「夢の木坂分岐点」という夢の世界を描いた破天荒な小説を思い出した。「世界のタケシ」が作った映画だということで、色々と深読みをしてしまうが、評価は大きく分かれるであろう。
『TAKESHIS’』
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