本日の東京新聞朝刊に、何かと騒がしいトルコのエルドアン大統領に関する記事が掲載されていた。トルコは対ロシアとの地政学上、英米仏を中心とするNATO(北大西洋条約機構)に参加してきた。トルコとロシアはクリミア戦争以降ずっと不仲が続いている。また、米国にとってもトルコに米軍基地(インジルリク空軍基地)を堂々と展開することができ、中東に睨みを効かせることができる。
2003年にエルドアン氏がトルコ首相に就任した頃は、イスラム教国のトルコがキリスト教をベースにした欧州連合(EU)へ加盟する話も実現間近だと思われていた。しかし、2014年に大統領に就任して以降は、首相職を廃止して権力を集中し、報道への規制も強化している。今年の8月にはアフガニスタン難民の受け入れをめぐってEUとの対立が激化している。既にトルコ国内には数十万人のアフガニスタン難民が流入しているとされ、国内各地で難民と住民との衝突が生じている。
エルドアン大統領の心中を察するに、民主主義を標榜するNATO陣営やEUが、トルコに移民・難民を巡る問題を押し付けていると感じているのであろう。一方、トルコがNATOを脱退したからといって、すぐさまロシアや中国に与するとも思えない。ではエルドアン大統領はどこへ向かおうとしているのか。誰か説明してくれ!