日別アーカイブ: 2021年10月10日

「習氏、台湾統一『必ず実現』」

本日の東京新聞朝刊に、中国で、満洲族王朝の清が倒れ中華民国が建国された辛亥革命(1911)から110周年を記念する大会が開かれたとの記事が掲載されていた。壇上にはデカデカと孫文の写真が飾られ、習近平国家主席が「中国共産党は辛亥革命を主導した孫文の忠実な継承者だ」とし、台湾独立を牽制したとのこと。

世界史を普通に勉強すれば、孫文の後継者は蒋介石であり、台湾の中国国民党へと系譜がつながっていくはずである。辛亥革命を持ち出すならば陳独秀や毛沢東を全面に掲げるのが筋である。にも関わらず、中国共産党が孫文の継承者をアピールするということは、大陸との繋がりを重視する中国国民党と連携し、台湾の独立志向が強い民進党・蔡英文政権に揺さぶりをかける思惑が見え隠れする。習近平ともパイプも太い中国国民党・馬英九前総統が裏で動いているのであろうか。

『写楽殺人事件』

第29回江戸川乱歩賞受賞作、高橋克彦『写楽殺人事件』(講談社文庫 1986)を読む。
2回目のワクチン接種で外に出かける気にならないので、久しぶりにじっくり本と向き合った。

東洲斎写楽をモチーフにしているのだが、殺人事件ということは忘れ、流通を重視した田沼意次から寛政の改革を実施した松平定信へと世相が180度転換する中で現れた謎の多い写楽にどんどん惹かれていった。登場人物と一緒に画期的な研究に携わってるような興奮を覚えた。間違いなく名作である。