本日の東京新聞朝刊記事より。
香港の学生運動、民主化運動の象徴だった周庭さんが、反政府デモを扇動した罪で禁錮10か月の実兄判決を受け収監されていたが、昨日朝、出所したとの記事が掲載されていた。半年以上も刑務所にいたので、まずは心身ともにゆっくりと休んでほしい。また、日本を含む欧米メディアも、彼女を利用するのはやめて頂きたい。そして、問題の根源である中国政府の姿勢に真摯にぶつかってほしい。
日別アーカイブ: 2021年6月13日
子どもとのサイクリング
「G7巡り中国が牽制」
本日の東京新聞に、連日テレビニュースで取り上げられているG7サミットに関する記事が掲載されていた。菅総理のオリンピック開催の呼びかけに注目が集まっているが、今回のサミットでG7サイドと中国の対立がより鮮明になった点に触れておきたい。
そもそもG7サミットとは、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国の7か国のことで、イギリスやアメリカ型の自由や民主主義など共通の価値観を持つ国の首脳会議である。
一時期ロシアが加盟したこともあったが、ウクライナ問題を契機に外れている。もともと反共産主義で、大国に有利な自由経済のルールを策定し、さらに言葉は悪いが、政府に近い筋の企業が各種の国連絡みのプログラムを通じて利益が出る(名前が売れる)ような仕組みを構築するという共通の利害を持つので、比較的議論はまとまりやすい。
今回のG7で決まったワクチン外交やコロナウイルスの起源の究明、アフリカなどの途上国への支援、人権侵害への懸念など、先進国による世界的な貢献の議論が展開されたと思いがちである。たしかに、香港や新疆ウイグル自治区での弾圧やロシアの周辺国への軍事的威圧などを考えれば、G7の対応に瑕疵は見当たらない。しかし、その議論の行く末の多くが中国やロシアの経済的発展を封じる予防線ともなっている。そうした点では、中国政府の非難は正鵠を射ている。
バイデン政権誕生以降、いよいよG7にオーストラリアやインドを加えた旧西側勢力と、中国やロシアなどの旧共産主義国を中心とした勢力の対立が露わとなっている。
『巨大古墳』
森浩一『巨大古墳:前方後円墳の謎を解く』(草思社 1985)をパラパラと読む。
主に大阪府堺市にある大仙陵古墳の建築について解説されている。小学生でも読めるように、簡単な漢字以外は一般の漢字を含めて全てに振り仮名が振られている。また全てのページにイラストがあり、大仙陵古墳の建造時のイメージをかなり具体的に持つことができる。
また当時の地形の調査から、堺付近は中世以前まで、500mほどの潟(ラグーン)に面しており、大仙陵古墳は潟の沖合の砂州の上に作られたという。大阪湾自体が、淡路島があるため波が穏やかなのに、その湾の中の更に波が穏やかなラグーンに堺港があったことが分かっている。ただし潟は砂が溜まりやすいので、砂を掻き出す職人が置かれていたようだ。しかし、他県の例に漏れず、後年に埋め立てられてしまい、現在ではその面影は全くない。
『哲学のことば』
左近司祥子『哲学のことば』(岩波ジュニア新書 2007)をパラパラと読む。
著者はギリシア哲学の研究者で、ソクラテスやアリストテレス、プラトンといった有名どころの哲学者の言葉の解釈や現代的意味について丁寧に述べる。
読みやすいのだが、展開に抑揚がなく、後半は読み流した。