森浩一『巨大古墳:前方後円墳の謎を解く』(草思社 1985)をパラパラと読む。
主に大阪府堺市にある大仙陵古墳の建築について解説されている。小学生でも読めるように、簡単な漢字以外は一般の漢字を含めて全てに振り仮名が振られている。また全てのページにイラストがあり、大仙陵古墳の建造時のイメージをかなり具体的に持つことができる。
また当時の地形の調査から、堺付近は中世以前まで、500mほどの潟(ラグーン)に面しており、大仙陵古墳は潟の沖合の砂州の上に作られたという。大阪湾自体が、淡路島があるため波が穏やかなのに、その湾の中の更に波が穏やかなラグーンに堺港があったことが分かっている。ただし潟は砂が溜まりやすいので、砂を掻き出す職人が置かれていたようだ。しかし、他県の例に漏れず、後年に埋め立てられてしまい、現在ではその面影は全くない。