本日の東京新聞朝刊に、オーストラリアがワインへの制裁関税をめぐって、中国を世界貿易機関に提訴する方針だとの記事が掲載されていた。
問題の背景には、中国包囲網を構築する日米豪印の軍事協定の存在がある。米国バイデン大統領は、トランプ政権の中国外交を引き継ぎ、欧州も巻き込みながら中国への圧力を高めている。一方、中国側も日米豪印の一角であり、中国への依存度が高いオーストラリアを狙い撃ちにしたようである。
2019年の統計データによると、オーストラリアの貿易輸出計4,927億豪ドルのうち、中国が3分の1の34.2%を占めている。オーストラリアの輸出品目は鉄鉱石(19.5%)や石炭(13.0%)、天然ガス(9.9%)などの「一次産品」が半分近くを占めている。コロナの影響で世界的に石炭や天然ガスの需要が落ち込んでいる中で、中国への輸出問題はやがてオーストラリア経済へ甚大な損害を与えることであろう。事はワインだけでない。